竜巻×渦潮×ブラックホール【美谷 凪】 ページ8
泉の主と名乗る人魚と対峙すること数分。一向に突破口が見えないことに、凪は焦っていた。
「どうすればいいんだよ!」
そう叫びながら苦し紛れに空気弾を泉の主にぶつけた。
弾が命中したその時、泉の主の顔が歪んだように見えた。はっとなってさらに観察すると、心愛の水の弾丸やるいの闇の槍が命中するごとに、僅かに眉をひそめているようだった。
個々の攻撃では敵わないけど、協力すれば……
凪は竜巻を作るのに集中しながら、攻撃中の2人に叫んだ。
「心愛! るい! 能力全開にしてこっちに投げて!」
2人の全力がどれほどのものかは知らないが、やるしかない。
2人は凪のやりたいことを察してくれたようで。
「これがウチの全力や! 落としたら承知せぇへんよ!」
「やるならさっさと終わらせてよ?」
能力によって生み出した渦潮とブラックホールに見えるものを投げ渡してくれた。
あとはこれを竜巻でまとめるだけ。
「っ!」
と文字では簡単に表せるものの、実際はそう楽なものではなかった。渦潮とブラックホールの勢いに負けそうになるが、ここで諦めたら男が廃る。
「いっけー!」
大声を出しながら、凪は風、水、闇の3つの力が凝縮された渦を泉の主に投げつけた。
能力の全力攻撃を受けた泉の主は、流石に無傷とはいかない。よろめいたかと思うと、水柱をあげて泉の中に消えた。
「勝ったんか?」
しばらく無言でいた4人だったが、はじめに口を開いたのは心愛だった。再び沈黙が続いたが、その静寂を破ったのは、水が渦巻く音だった。
『私をここまで追い詰めるとは、大したものですね』
声の主は先程倒したと思われた泉の主。4人は身構えたが、先程の全力攻撃で、瘋以外の3人は肩を上下させている。
『資格が証明された今、汝らと戦う理由はもはや存在しない。この水を持っていくがよい』
泉の主はそう言うと、ガラス瓶を持つ瘋に手を向けた。するとどうだろう。瓶の中はあっというまにキラキラと輝く水で満たされたではないか。
『さぁ、帰るがよい。勇ましき子供らよ』
泉の主が微笑むと、凪たち4人は光に包まれた。
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そら*フィア(プロフ) - 更新しました。メモの文字数ギリギリなので私のとかいらないと思ったら消してください(メモ長文常習犯) (2022年8月13日 22時) (レス) @page31 id: 55103e200f (このIDを非表示/違反報告)
そら*フィア(プロフ) - お久しぶりです。更新します。 (2022年8月13日 22時) (レス) id: 55103e200f (このIDを非表示/違反報告)
そら*フィア(プロフ) - 終わりました。F,Kの皆様、本当に勝敗をどうしましょうか?私はどちらでも良いのですが……。次の方よろしくお願いします。(以下連絡:ヒメアミさん、どうか参加希望の方々への返事をよろしくお願いします) (2020年12月29日 23時) (レス) id: c283b58b59 (このIDを非表示/違反報告)
そら*フィア(プロフ) - お久しぶりです。更新します。 (2020年12月29日 23時) (レス) id: c283b58b59 (このIDを非表示/違反報告)
なー。(プロフ) - 更新終わりました! (2020年9月27日 16時) (レス) id: 13b122a5bb (このIDを非表示/違反報告)
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