<リレー小説版>GO！勇者育成学園！～クラス決定試験編～ (ページ49)

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チームメート【鶴城光里】ページ49

「Tの人、誰か……」

　光里はくじを引いてからしばらくうろうろしていたが、なかなか同チームの人が見つからない。そうこうしているうちに、周りではどんどんグループが固まってきている。

　とりあえず、まだ4人集まっていない人に声を掛けて、それから、と考えていた時、後ろから声を掛けられた。

「あのー、Tっすか？」
「はい、そうですけど」

　そう言いながら振り返ると、話し掛けてきた本人、女子生徒はほっとしたような顔になって言った。

「良かった～、ちゃんと見つかったっす。あ、あたしは明石仁亜。よろしくっす」

　仁亜、どこかで聞いたことがある。……思い出した。

「鶴城光里です。(主にテスト前に)いつも兄がお世話になってます」
「鶴城、あぁ、翔矢の妹っすね。たまに話は聞いてるっす。
　にしてもよく似てるっすね。流石双子――」
「年子です」

　反射的に口を挟んでしまう。小さい頃から間違われ続けたから仕方ない。

「そ、そうっすか。ごめんなさい……」
「いえ、気にしないでください。いつものことなので……」

　気まずくなり、しばらく沈黙が続く。

「そういえば」

　先に口を開いたのは仁亜。

「さっきから翔矢の姿が見えないっすけど、どこ行ったか知らないっすか？」
「っ！」

　どうしよう。さっきのフラフープのことを話そうか。だが、校長先生の反応からして、広めるのは不味いか。

「何か知ってるっすね？」
「……言えないです。でも、……」
「分かったっす。とりあえず、あと2人を見つけるっす」

　それから程なくして、残る2人のチームメートは見つかったのであった。