<リレー小説版>GO！勇者育成学園！～クラス決定試験編～ (ページ44)

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見えない苛立ち。【明石楽】ページ44

僕は息を整えながら考える。

今まで僕と同じスピードの人は見た事なかった。能力があれば雷の速さで走れるから。

自分自身も速かった。でも。

｢光かぁ、面白いかもなぁ！｣

僕は笑う。

傍から見たらおかしな人だろうな。

まぁいいや！

｢耐久かぁ…実弾だったら面白いのに｣

僕は次の項目を思い出して呟く。

僕は結構避けるの得意だけど(感知能力がやばいから)、他の人達はどうなるんだろ？

血塗れだろうなぁ♪

あー、面白そうだなぁ。

｢あーいたいた！楽ちゃん！｣

和奏ちゃんがこっちに向かって歩いてくる。

｢次耐久だね！僕、避けるの得意なんだ！｣

僕は言う。多分回復したっぽい優君が、

｢うぇぇ……お前やばいよな…｣

なんて言ってくる。
やばいかぁ…よく言われるから慣れたな。

｢…ねぇ、さっきからあの人からの視線が痛いんだけど…｣

真冬君は和奏ちゃんに言う。
わぁホントだ！

銀髪の子かな？

えー、綺麗！

｢ねぇねぇ！君速いね！｣

僕はその子に向かってつかつかと歩いてゆく。

その子は一瞬は？とでも言いたいような顔になる。
隣の子があわあわと慌ててるのが目に見えた。
僕はその様子を無視して

｢僕は明石楽！君は？｣

僕は手を差し出す。

その子は戸惑った様子が見えるが、僕の手を取り

｢利根大夢。何の用だよ？｣

と言う。おお、僕がやるまで引かないことをよくお察しで！

僕は笑って手の方に電力を貯める。
そして放出。

｢！？｣

大夢君は驚いたように見えた。何も能力使ってこなかっただけマシかなぁ。

｢君がどんな人だろうとも、僕の友達のことを貶すのは嫌だからね♪じゃ！｣

また会おう、という意味を込めて手を振る。

僕は何食わぬ顔で元の位置に戻った。