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☆[スルターナ&サキュバス]貴女らしく笑って ページ48

自分に自身が無かった。
いや、持つ事が出来なかったと言った方が適切かな。
けれど彼女達は、私を変えてくれた。
今回は私達の、他愛の無い日常のお話。

「あうう…、また失敗したわぁ…!」
私の隣で、スルターナが嘆く。
弱ったその姿は、他の誰にも見せていないそうで。
サキュバスはそんな彼女の目の前に、
焼き立てのマフィンと温かいエスプレッソを置いた。
「自分を曝け出さないのも大変ね。
出すもの出せばスッキリして気持ち良いのに。」
『いや、言い方。…まあ良いや。
スルターナ、今度はどうしたの?』
ツッコミを入れてから、落ち込む彼女に尋ねる。
彼女は重々しく口を開いた。
「…ここに来る前にマオさんに頂いた香水をつけていったんだけど、
それが原因で余計に皆を勘違いさせちゃったみたいなのよぉ。」
今の所、マイナスな要素は見当たらない。
そう思いながら目の前のマフィンを齧った。
彼女の向かいの椅子に座ったサキュバスが相槌を打つ。
「良い匂いがすると思ったらそのせいだったのね。
アタシもマオちゃんに作って貰おうかしら。」
『サキュバスはいらなくない?
アレの効果はつけた人に勇気を与えてくれるみたいだし。』
「あら、Aちゃんったら詳しいのね。」
『前に会った時に私にもくれたしね。』
「アタシだけ仲間外れなの?酷いわぁ。」
他の子がやるとあざとくなる甘い表情も、彼女ならしっくりくる。

閑話休題。
『香水はともかく、元々持ってる雰囲気が
気品があって凛としてるから、余計にズレちゃってるのかもね。』
その凛とした雰囲気で、私も助けられたんだけど。
彼女はそれがどうも不服みたい。
「どうにか出来ないかしら。」
『そうだね…。何かあるかな。』
二人で悩み始めて数分経った頃に、サキュバスが声を上げた。
「うふふ、なら良い方法があるわよ。」
甘美だけど、どこか楽しそうな声。
訊き返すとこう言ってきた。
「好きな人を作っちゃえば良いのよ。
そうすれば自然と自分を出せるわ。
良い所も悪い所も、ね。」
スルターナの肩に手を触れながらそう言う彼女。
「手始めに…そうね。アタシを好きになってみる?
…ふふ、冗談よ。」
「一瞬ドキッとしたわ…。」
と言うか、冗談に聞こえないよ。

どんな事も話せる、仲間以上の関係。
どちらとも欠けてはいけない、私の大切な友達。
〜〜〜
ずっと書きたかったけどタイミングが無くて書けなかったお話第二弾。

サキュバスを急遽追加したので、
元のプロットから大幅に書き換えました。

[ジョゼ&ハンナ]Dear:Sweet Honey. -ずっと見ていてね。-→←☆[マーカス]Enveloppe -たまにはもっと甘えてよ-



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螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます!どうぞ他の作品も楽しんで下さい! (2020年1月28日 18時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 完結おめでとうございます!。寂しくなってしまいますが、これからも貴方様の小説を読みます!。アンデルの長編も楽しみにしてます!。それでは、またお愛しましょう!!。 (2020年1月28日 17時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» 応援ありがとうございます!これからも楽しんで書いていきます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - メッセージを見ましたが、改めまして、リクエストばかりで申し訳ありませんでした!。そして、自身で書きたいものもたくさんあったにも関わらず、リクエストを、お応えいただき、誠にありがとうございました!。これからもこの小説はもちろん、他の小説も応援してます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - そうでしたか!。読んでみます!。 (2020年1月15日 7時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:螢羅(K-Ra) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年4月28日 15時

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