☆[バーテブラ]Heart Beat -ココロで弾け!- ページ37
次のライブに向けて、ドラムの練習中。
ドラムは良い。
他の楽器の良さを引き立てつつ、直接心にリズムを届ける事が出来る。
配置も中央だから、客の顔をちゃんと見渡せる。
まあ何だ、オレには後方支援が性に合ってるって事だ。
『…バーテブラ!』
「うおっ!何だAか。」
『もう、ずっと呼んでたのに!』
「わりー。もうすぐライブだから気合入れてたんだ。」
言いながら、ドラムスティックをケースにしまう。
「わりーな、煩かっただろ?」
『そんな事無いよ。バーテブラのドラム好きだし。
それより早くご飯食べようよ。』
「それで呼びに来てくれたんだな。
メシなんてオレに任してくれれば良かったんだぜ。」
そう言うと、Aは顔をほんのりと赤くしながらこう言った。
『バーテブラばっかりに任せるのは申し訳無いよ。
それに…私だって、上手くなったんだから。』
「…へえ。」
何だよ、可愛いじゃねーか。
二人でメシを囲んだ後に、その礼としてデザートを作る。
Aの好きなチョコ菓子だ。
焼き上がったクッキーに予め溶かしておいたチョコをまぶす。
テンパリングの作業は好きな方だ。
特技であるみじん切りを存分に発揮出来るからな。
できた物にホワイトチョコが詰められたペンを走らせ、三十分程冷やす。
「…と、時間掛かっちまったな。もはやデザートじゃねーなコレ。」
『じゃあ、待ってる間に…。』
そう言って、Aが後ろから抱き着いてきた。
「これじゃ顔見れねーだろ。」
『良いよ、背中暖かいし。』
腰に回された腕に少しの力が加えられる。
…同時に柔らかい二つのものが
背中に当たっちまってるって事は黙っててやるか。
その手に触れながら、今のAの顔を想像する。
「綺麗な手してんだな。繋いでる時は特に意識しなかったけど。」
『ありがと。バーテブラは綺麗な顔してるよね。』
「今、顔見れてねーだろ。」
そう言うと、Aが急にオレをそちらに向かせた。
『…見てるよ。私達はずっと一緒だから。』
「やっぱ、可愛いぜ。」
本当に、な。
結局冷やし過ぎてカチカチになった
チョコクッキーを、二人で少しずつ消化する。
それでもそんな些細な出来事を一緒に経験出来るって事は、
ある意味ドラムの楽しみに通じているのかも知れねーな。
〜〜〜
<バーテブラのキーワードと言えば?>と訊かれた時に
浮かんだフレーズをタイトルに持ってきました。
弾けの読みは<はじけ>です!<ひけ>ではありません!w
リクエストありがとうございました!
☆[コスタ]甘い声で震わせて ※微裏注意→←☆[ペルヴィス]強気な彼女の乙女な素顔 ※百合注意
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螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます!どうぞ他の作品も楽しんで下さい! (2020年1月28日 18時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 完結おめでとうございます!。寂しくなってしまいますが、これからも貴方様の小説を読みます!。アンデルの長編も楽しみにしてます!。それでは、またお愛しましょう!!。 (2020年1月28日 17時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» 応援ありがとうございます!これからも楽しんで書いていきます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - メッセージを見ましたが、改めまして、リクエストばかりで申し訳ありませんでした!。そして、自身で書きたいものもたくさんあったにも関わらず、リクエストを、お応えいただき、誠にありがとうございました!。これからもこの小説はもちろん、他の小説も応援してます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - そうでしたか!。読んでみます!。 (2020年1月15日 7時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
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