☆[ハルトマン&レガムント]Dual Unison -女神が微笑むのは- ページ1
久しぶりに天界からこちらの世界に舞い降り、
楽しい時間を謳歌していると。
「…A。」
私の目の前に、突然一人の青年が舞い降りた。
『あら、レガムント。貴方もお出掛け?』
「奴らの近くにいたくないだけだ。」
『そう。今からこの島を回ってみたいんだけど、一緒にどうかしら?』
群れるのが嫌いな彼の事だ。きっと断られる。
そう思っていたら。
「…構わない。奴らといるよりはマシだ。」
そんな事もあって、二人で歩いていると。
「あー、A様だー。レガムントもいるー。
何か珍しい組み合わせだね。」
私達と同じ様に休暇を取ってこの島に
降りてきていたハルトマンが、飄々とした口調で話し掛けてきた。
「何の様だ。」
「何の様って、ただ話し掛けただけだけど。」
二人は底冷えする様な雰囲気を醸しながら話していた。
『お二人とも。今日は楽しむ為にこちらに来たのでしょう?
喧嘩などなさらないで下さいな。』
二人は渋々といった感じで、高ぶっていた感情を無理矢理鎮めてくれた。
『そうですわ。ハルトマンも私達と一緒に
この島を歩きませんこと?』
「…それは、駄目だ。」
途端にレガムントが口調を荒げた。
『どうしてですの?人数は少しでも多い方が楽しいですわよ?』
「……俺は楽しくなどない。
何の為に天界を降りてきたと思っているんだ。」
「べっつに良いじゃん。一人増える位さー。
それとも何、オレがいると都合が悪いの?」
「…Aと共に過ごすのに、お前は邪魔だと言っている。」
はっきりと拒絶の言葉を連ねるレガムント。
それをきっかけに、せっかく収まっていた彼らの感情が表に出てしまう。
「そこまで言うならオレも言わせて貰うけどさ。
正直言ってお前も邪魔なんだよー?
A様の事が好きなのはお前だけじゃないし。
他の奴らは<好き>って気持ちに友情や絆を含めてるけどさ、
オレはそれ以上にA様に愛情を感じてる訳。」
「それなら、俺の方が強いに決まっている。」
『二人共。私は二人の事はとても好きですし、愛してもおりますわ。
だからこれ以上、私の事で言い争わないで下さいな。』
そう言うと二人は、私に視線を移してこう言った。
「なら、直接聞こうよ。」
「…初めてお前と意見が一致したな。」
私の両耳にそれぞれ、囁く様に言葉を投げ掛けた。
「オレとこいつ、どっちが好きなの?」
「俺とこいつ、どちらが好きなのだ。」
〜〜〜
今作一発目は、前作に頂いていたリクエストです。
リクエストありがとうございました!
18人がお気に入り
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螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます!どうぞ他の作品も楽しんで下さい! (2020年1月28日 18時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 完結おめでとうございます!。寂しくなってしまいますが、これからも貴方様の小説を読みます!。アンデルの長編も楽しみにしてます!。それでは、またお愛しましょう!!。 (2020年1月28日 17時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
螢羅(K-Ra)(プロフ) - アメジストさん» 応援ありがとうございます!これからも楽しんで書いていきます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: b7b3ad2127 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - メッセージを見ましたが、改めまして、リクエストばかりで申し訳ありませんでした!。そして、自身で書きたいものもたくさんあったにも関わらず、リクエストを、お応えいただき、誠にありがとうございました!。これからもこの小説はもちろん、他の小説も応援してます! (2020年1月15日 19時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - そうでしたか!。読んでみます!。 (2020年1月15日 7時) (レス) id: 0a7b322e74 (このIDを非表示/違反報告)
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