─ ページ27
・
はあぁぁ…
なんて長いため息をついて人ん家で勝手にゴロゴロしてるのは小学校からの幼なじみのAで
「なんだよ、」
大きめのソファを1人で陣取って携帯をいじる無防備なその姿に
襲ってやろうか、なんて思ったり思わなかったり
まぁ、少なくとも意識はされてないんだよなぁってこっちが思わずため息が出そうになる
「ユンギさ、そろそろテヒョンくんの連絡先教えてくれてもいいんだよ？」
またその話題か
「プライバシーがあるだろ」
「だからユンギが聞いてきてって言ったじゃん！」
そうだっけか？なんてとぼければ
もう！このじじい！なんて拗ねたように唇を尖らせて眉間に皺を寄せたAに罵られる始末
俺にはその話題は辛いんだよ…
そろそろ分かってくれ
幾度となく流したその会話
触れたくないのは逃げてるって分かってる
けど…
まぁ、逃げたくもなるもんだ
Aがどうしても会ってみたいって言うから1回だけ、仕方なくメンバーを紹介したその後から何故か、Aはテヒョンアを気に入ってしまって
挙句の果てには悲しいかな、
「…テヒョンくんって……どんな人がタイプなの？」
の一言で脈ナシの別名、"恋愛相談乗ってくれるいいヤツ"の役に自動的に回されてしまった俺
誰かこの虚しい俺を褒めて慰めてくれ…
「BTSも有名になったもんだねー…」
「はーー、ビジュが良すぎる……」
なんて俺のソファに寝転びながらぼやぼや呟いてるA
「何見てんの、」
とりあえず何でもいい、適当に言葉を選んで
ちょっとぐらいは俺のこと意識しやがれ
って僻みを込めて、ソファの背もたれに手をかけて覗き込むようにして近づけた体
少し首を傾げれば重力によってはらりと目にかかる前髪
縮まる距離に不意に感じるAのパウダリーな香りに、おかしいくらいに心臓が反応するのは俺で
近づいた俺に何の反応も示さずに眺めているのはいつかのコンサートのときのテヒョンアの写真で
何だか凄くそれが悔しくて気に食わなくてAの頭を軽く小突いた
「え、！？なに！…なんで、？！」
「……別に？」
ばか
俺がいるだろ
って言えるはずもなかった
・
ラッキーメンバー
V
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あみゅ | 作成日時：2020年3月9日 0時
