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※ほんのちょびっとだけ背後注意
・
「あれ、?ねぇ、帰り道こっちでしょ?遠回りになっちゃうよ?」
いつもの帰り道とは違う方の道を選んだユンギに少し焦って伝えるも、
当の本人はあまり気にしてない様子で
「…………………あー、間違えたわ」
今の間は何だろう
何なら棒読みに聞こえたんだけどな
でも実際そんなことはどうでもよかった
久しぶりのユンギとのドライブ
それだけで十分だった
「コンビニ寄るだろ?」
ふと前方に見えたのはお馴染みの看板で
多分私に拒否権はないし、私も私で拒否する気もない
どうせだからなんか買おっかな
「いらっしゃいませー」
飲み物コーナーのところへ行ってココアを探す
温かい飲み物があればいいかなと思ってお目当てのものを取り出せば
コンビニ袋を提げたユンギが私の元へと戻ってきた
「もう買ったの?もうちょっと待ってて」
あ、先車乗ってていいよ!
とだけ伝えれば、店内のドア近くでスマホをいじる彼が見えて、レジへ急いだ
「お待たせ、何買ったの?」
まだ温かさが残っているであろう車へと2人で向かう
「あぁ…、ゴム」
「は?!」
あまりにも予想してなかった回答に思わず声があがる
「とコーヒー」
残りあと少なかっただろ?
もうすぐ買わないとなって思ってたんだよ
なんて平然に答える彼に何も言えなくなってしまう
え、普通言う?
「Aが聞いてきたんだろ」
私の脳内を読んだかのように言葉を返してきた彼は少しだけ笑った
入るときにそのままの方向で停めたため、
バックで出るときに少しだけ近くなるユンギとの距離
何でこんなに私だけが意識してるんだろう、ってほんのちょっとだけ悲しくなった
家についたのはもういい時間帯で
さみ、とか言いながら階段を登って行く彼の後ろ姿を眺めながらついていく
鍵を開けて中に入るユンギに続いて、入ろうとすれば抑えてくれる扉
私が中に入ったのを確認すれば、彼はかちゃり、と鍵を閉めた
「先風呂入ってくれば?寒かっただろ、飯は作っとく」
珍しい、本当にどうしたんだろう
ユンギの方が寒がってたのに
彼にしては至れり尽くせりな行動に戸惑いつつも、
こんなことは滅多にないからと、甘えてしまう
結局は何だか申し訳なくて、手伝おうと思ってすぐに出てきちゃったわけなんだけど
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作者名:あみゅ | 作成日時:2020年3月9日 0時