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「なーに、俺のこときらい？」
愛おしそうな顔を浮かべてるミン課長にきゅ、と握られる手
そのちょっとした彼の行動で、生きてるんだってうるさいぐらいに主張してくる心臓の音
あまいあまい、その顔で見つめられたら反論なんかできない
「分かってるくせに、」
私ばっかりなのが嫌で、意地を張っていれば
彼は途端に可愛らしい歯茎を見せて笑った
ぐ、と引かれた腕に反動で彼の胸に倒れ込めば
ぎゅぅ、と抱きしめられる体は火照るばっかりで
「俺はお前のこと好きだけど？」
…
…
…
「ハッッ！！！」
朝
意識が覚醒すれば
ちゅん、と平和な鳥の鳴き声が耳に入ってきて
「…夢か、」
残念なような恥ずかしいような嬉しいような申し訳ないような…
よく分からない感情に支配されながらベッドから出て着替えた
今日も普通に出勤だ
どんな顔で会えばいいの…
あんな夢を見た今、意識せざるを得なくって
夢見たのって香水つけて寝たからだよね…
なんだか今日はいつも自分がつけてる香水さえもつける気になれなくって、何もつけずに家を出た
何とか当人に会わずに自分のデスクについた頃には寝不足も相まって疲れ果てていた
「おはようございます、先輩」
「あ、ジョングク君…おはよう…」
私の方へ振り向いた彼は元々大きな目をこれでもかと見開いて
なんか、……老けました？なんて失礼極まりない言葉を投げかけてきた
流石にそれは私でも怒るよ
「あ！せんぱい、んーと、昨日の！せんぱいが持ってた？資料って、どこに直しましたか？」
不意に現れて呼び止めたかと思えば
思い出すように視線を動かせて、言葉を選びながら聞いてきたのは後輩の1人であるテヒョン君
少し冷たさを感じる端正な顔だが、笑うと四角いお口になるのがチャーミングだ
「企画のやつだっけ、私持ってくるね」
不思議くんでぽんこつな部分もあって仕事が出来る方では無いけれど
それが彼の魅力であり、仕事も一生懸命頑張っているからこちらも成長できるように後押ししている可愛い可愛い後輩くんだ
「かたじけのうごじゃる」
いつの時代かも分からない言葉を添えて敬礼のポーズをとるテヒョン君
「ふふ…、はいはい、ちょっと待っててね」
敬礼のポーズのままゆっくり頷いたのを見て、だだっ広いフロアを歩く
目的の場所へと足を進めていれば
曲がり角のところで出くわしたのは今日1番会いたくなかった人で
「はよ、」
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ラッキーメンバー
V
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作者名：あみゅ | 作成日時：2020年3月9日 0時
