1家に1台ゆんぎくん (ページ17)

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ふぇちページ17

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「おはようございまーす」

出勤早々デスクに向かえば、忙しそうに行ったり来たりするミン課長

すれ違えば香る、彼の香水

鬱蒼として生い茂る木々に囲まれ、佇んでいるような
そんな錯覚に陥るほどの落ち着いた深みに、爽やかに木々をすり抜ける、そよそよとした心地のいい風を思い出させるような香り

深みもあってコクもあるけどしつこさを感じさせない鼻奥に残るその香りは、ふわりと香る度にクセになっていくようで

…あぁ、ミン課長の性格そのものだ

今みたいにすれ違ったり通りすぎる度に
ふと控えめに香るその匂いに振り返ってしまうほど、ミン課長が纏っている香りに弱い私

おかげで、あまりにも大袈裟に振り返ってしまったときに

「…？、俺に用事でもある？」
って不審がられたほど

「また見てます、先輩」

なんて、ぼけぼけとミン課長を盗み見している私の頬を容赦なくつつくのは後輩のジョングクくん

彼もまた私と同じ、匂いフェチ

隣のデスクということもあり、よく話をする仲だ

「僕はあの人の匂い嫌い。独特じゃないですか？」

彼は、テヒョンくんがつけてるような個性的でスパイシーな匂いというよりかは、柔軟剤のような柔らかくて心地のいい匂いが好きならしい

「そこがいいんじゃん！シックな香りの中に見え隠れする甘い匂い！良くない？！最高！」

熱弁すればジョングク君は少し引いたように
好き嫌い別れやすい匂いですよね、なんてぼやいた

やめて、引かれると悲しい

「僕はジン課長の匂いの方が好きです。なんか…ふんわりしてて…んー、後腐れ無いじゃないですか」

「あぁ、あのブランド課の？んー確かに…コットン、みたいな？」

それですそれです！
なんてくりくりな目をキラキラさせてる姿は兎そのものに見えて、思わず笑みが溢れた

そんな彼の使ってる香水はやっぱりフェチなだけあってとってもいい匂いで

包容力を感じる、淡いながらも壮大な香りは彼の魅力を増し増しにするだけだった

「安定にジョングクくんはいい匂いだよね」

彼の方を見やれば絡む視線

にこりと微笑んで少し首を傾げれば
彼はへへ、と嬉しそうに頬を緩ませた

「でも先輩、」

ぐ、と縮まった距離に思わず心臓が反応して

目を伏せて首筋に鼻先が触れそうなほど近くですん、と軽く匂いを嗅いだジョングク君

彼のさらさらした髪が顎元を擽る

「僕、先輩の匂いも結構好きですよ？」

刹那

「何してんの、」

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