with me

= ページ32

.





《 俺と一緒に溺れようよ 》




体は素直だった。



簡単に彼に身を委ね 彼を好きになろうと 頑張った
そして 錯覚もした。






『ミンギュ、好きっ、、』

「ヌナ、、もっと言って」

『好きだよ、、愛してる』





舌を絡め 指を絡め 肌が密着する。
段々と 彼に引き上げられ 彼に溺れていく自分が見えてきた。

それでも 私は ウォヌ が忘れられなかった






「ヌナ、今日家行ってもいい？？」

『え〜？じゃあ帰りにスーパー寄ってお鍋にするか』

「やった〜」

『分かったら仕事に取り掛かりなさい』






「やっぱり付き合ったんだねあの二人」

「美男美女ってああいう事言うんだろうな」

「憎めないよね〜、お似合いだもん」






ミンギュの優しさに 思いっきり甘える事にした。
彼と付き合えば ウォヌの事は忘れられるだろうと


あれから どれくらい経っただろう。

気が付けば ウォヌと最後に会った
同じ季節が来ていた。






「Aヌナ！！」

『あれ、早いね』

「彼女より先に来ない男居ませんから」

『立派な男性だね〜』






ミンギュと待ち合わせた デートの日。





「今日はヌナを甘やかしたいと思います！」

『ふふっ、その意気ですよー』

「あぁ、子供扱いした〜………」





私より 身長が大きいのに 少しムスッとした顔は
幼くて 可愛くて 母性本能ってやつ？
すごい撫で回したくなる

繋いだ手には お揃いのブレスレットが着いていて
それに満足そうに笑ったミンギュは歩幅を合わせた






「ヌナがね、俺の事見てないのなんて
知ってるんだよ。だけど気にしないで
俺は今、幸せだからさ」







いつの日か 彼はそう言った。
彼の言葉で あぁ、私はまだ あの人の事を探しているんだ って気づいたの。






『ミンギュ。』

「ん〜？？あ、これヌナ似合うよ」

『………可愛い』






＿＿＿＿＿私なんかと居て幸せなの？





その言葉は 彼が私の耳元に当てた
小さなピアスの輝きに 吸い込まれてしまった







.

=→←=

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す