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『ここ、俺の家。』
そう言って通された部屋はオシャレな家具が散りばめられてて、涼介の匂いが充満してる。
スッキリした部屋はちゃんと整頓されていてゴミ一つ落ちてなさそう。
高級そうなキッチン、大画面のテレビ、おしゃれな飾り物。
全部が私の家とはかけ離れている。
『適当に座ってて、』
顎でさされたのは黒革のソファ。
初めての場所だが居心地の良さを感じるこの空間に慣れ始めたころ、涼介が隣にドカッと座った。
またドクドクと早まる心臓の音に、革の擦れる音に敏感に反応してしまう耳。
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『ん、』
そう言って渡される手のひらサイズのもの。
コロンと手のひらを転がったそれは光を反射して金色に光っている。
「・・・ボタン？」
中学時代来ていた制服の見慣れたボタン。
「懐かしー。・・・でも、何でこれを私に？」
『それ、第２。』
「、、、えっ？」
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___________それ、第２。
言われた言葉を理解するのには時間がかかった。
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『お前に渡そうと思ったら、もう帰ってたから。』
私が、誰かにあげたと勘違いしていたボタンは、あの時まだ涼介の手元に・・・？
第二ボタン。それが意味するものは、
「好きな子に、あげないの？」
恐る恐る開いた口からは案外スルッと声が出た。
私なんかがもらっていいものなのだろうか？
あの頃、喧嘩ばっかりしていた私たち２人。あのメンツのなかでは特別仲が悪かった。
好きと言われる心当たりはないし・・・。
『だから、好きなやつにあげたの。』
「は？」
『お前のこと好きだからあげたの。』
着ていた服を引っ張って、真っ赤な顔を隠す涼介。
「うそ、」
『ほんと、』
被せ気味に返される言葉。
視線は合わないけど、その顔がどんどん真っ赤に染まっていくのは私にもわかった。
「私も、好き・・・です。」
『う、・・・そ、』
向き直るようにギュッと包まれた体は涼介の体温を伝えてくれる。
合わさった視線はちょっと震えていて、瞳の奥はまだ安心していない。
『じゃ、じゃあ、俺と付き合ってください。』
「喜んで！」
__________ fin
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作者名：悠華 | 作成日時：2020年2月14日 16時
