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昼休み、友達3人とお昼を食べていると、
近くにいた女子たちの恋ばなに巻き込まれる。
「きゃー!」って盛り上がってる女子たちの好きな人が順々に暴かれていって、
意外な人もいれば皆が知ってるわかりやすい人もいる。
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真っ昼間の教室ということもあって、
声を潜めて話してはいるものの、周りの男子たちの意識を集めている。
女子のテンションが上がるたびに「お前か?」みたいなアイコンタクトのように
視線がちらちらと揺れ動く男子。
それに合わせるように女子トークの声のボリュームがだんだん小さくなっていく。
そして話は、最後の一人、私に回ってきた。
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『好きな人!いるでしょ?一人くらい。教えなさいよ〜。』
「えー・・・そんなこと言われても・・・・、」
『もったいぶらないで、早く〜!』
「や、・・・ぶ先輩、」
『『『『キャー!!』』』』
女子の声が教室中に響く中、叩かれる肩。
ビクッと跳ね上がった肩に何処か一点を集中して見ている女子から上がる黄色い声。
______お前、呼ばれてるよ。
振り返ると聞こえる男子の声に、教室のドアの方に目を向ける。
そこには笑顔で手を振る先輩の姿が。
「っ!・・・先輩、」
もしかして聞かれた?
そんな不安を拭いきれないまま、
押し出されるように先輩のもとにつれていかれる私。
『お話し中ごめんね。今日の部活なんだけど、』
たんたんと伝えられる連絡事項に、期待した分の寂しさが心をえぐる。
はい、って答えていくだけの時間。
先輩との縮まる距離も今は少し寂しく感じる。
これ以上を望むにはいけないことだってわかってるけど、
もっともっと、ってどんどん先輩に夢中になって欲が増えていってしまう。
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『じゃあ、そういうことで!』
「わざわざありがとうございました。」
『いいのいいの、気にしないで。あっ、そうそう。・・・これ。』
そう言って差し出された紙。
『登録よろしく!』
「はい!、、、え?」
とろけるような笑顔を残して去っていく先輩。
渡された紙を見ればアドレスらしきものが書いてあって、
まさかのまさか・・・
「連絡先!?」
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作者名:悠華 | 作成日時:2020年2月14日 16時