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18話 ページ19
翔太side
休み時間、Aが真冬に連れていかれるのを見た俺は、こっそりあとをつけて行った。
屋上の扉の前で、耳を済ませれば、聞こえてくるのはAが真冬を突き放した言葉だった。
直ぐに足音が向かってきて、慌てて階段降りる。
振り返れば、そこに居たのは大粒の涙をボロボロ流している俺の幼馴染。
やっぱり。
先輩と急に付き合うなんて可笑しいと思っていた。
真冬を忘れるためだったんでしょ。
「無理すんな。たまには俺も頼って。」
下を向いて通り過ぎようとするAを少し強引に引っ張り、胸に押し付ける。
直ぐにAは俺のシャツを掴んで、声を上げて泣き出した。
あー、シャツ、シワになっちゃうな。
なんて考えながら
俺の幼馴染は泣き虫だな、なんて。
チャイムが鳴り始め、まだ涙ぐんでいるのに、授業に向かおうとするA。
そんな顔してる子を行かせるわけないでしょ。
「授業、サボっちゃおっか。」
俺はいつものように、すこし悪戯に笑って見せた。
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作者名:流雨 | 作成日時:2018年11月14日 0時