その十四匹 ページ29
俺を見た奴は全員、俺を気味悪がった。ギョロギョロした目が気持ち悪いんやと。特に、俺は同じく売られた奴らの中でも異常だったせいか全く誰かのカメレオンになる事は無かった。只でさえ人が来ない店内で、俺は一生を過ごすんだとずっと思ってた。だから、偶に人が来ても俺は体の色を変えて何も無い水槽を演じていた。こうすると、大体の人が何も無いと通り過ぎて行く。これで良い。
俺の姿を見ないでくれ、気持ち悪いなら見ないでくれ。
見ない方が、傷つかない方が、お互いに良いやろ？
そんなある日の事だった。
カランコロンとドアベルが鳴り、中に入って来たのは女の子だった。キラキラした目で色々な動物達を覗いて、楽しそうに笑う。この店に、彼女の様な女の子がやってくるのは滅多に無い。
そんな中で、彼女が何も無い水槽の前で止まった。
そして、止まった。
不思議そうに目を擦ってよく見てくる。
次の瞬間目があった。
見つかってしまった。気持ち悪いと言われてしまう。嫌な思いをさせてしまう。
だが、彼女から返ってきた言葉は違った。
『こんにちは！かくれんぼしてるの？』
にこにこと笑う。その姿は、気持ち悪いなんて考えている様子も無かった。
むしろ、
「綺麗な体だね。カメレオンって色を変えれるんだよね。凄いな。私、最初は誰も水槽に居ないのかなって思っちゃった。」
褒めてくれたんや、優しい笑顔で。
「私、君と家族になりたいな。ねぇ、家に来てくれる？」
彼女は、俺の家族になってくれた。
彼女なら、どんな色をする異常な俺でも愛してくれる。
「なぁ、かくれんぼしようや？A」
俺、お前の笑顔が大好きなんや。
☆☆
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ここのつちゃん(プロフ) - 面白いなと思ったら知っている作者さんでした！！投稿頑張ってください！応援してます！ (2021年10月16日 14時) (
レス) @page38 id: c790a783a7 (このIDを非表示/違反報告)
さとう - 好き()更新頑張ってください! (2021年5月30日 7時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉 - 復帰おめでとうございます!!これからも頑張ってください！ (2021年3月31日 14時) (レス) id: c5ac09218a (このIDを非表示/違反報告)
きな粉 - 面白いです！更新頑張って下さいね (2021年1月11日 13時) (レス) id: c5ac09218a (このIDを非表示/違反報告)
欄 - 評価を５５６にしてしてしまった、、がんばえーーー！ (2021年1月1日 22時) (レス) id: 97c794166e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡
| 作成日時：2019年8月17日 16時
