その十匹 ページ14
俺が猫の中でも特殊な能力がある事は分かっていた。それは、他の猫達からも君は特別だね、同じ種族として凄いと思う!と褒め称えられるしメス猫は俺にデレデレだった。その能力を使って人間として生活もした。人間の世界でも猫の世界でも俺は顔が良い。これを駆使して俺は俺の世界を充実感に満たしていた。
そんな15年前まで俺はネコカフェで生活していた。ネコカフェは良い。人間の雌に撫でられ遊んでもらい、擦り寄れば可愛い可愛いと褒められる。美味しい飯ももらえる。常に環境が適している。人間の姿で出たければ夜中にこっそり鍵を使って出れば良い。本当、これほどにも幸せな空間は無いと当時の俺は思っていた。
だが、今の俺は昔の俺に言ってやりたい。
今の方がずっと幸せだと。
たった1人の大好きな人に撫でられて可愛がられ、家族が居るこの生活に勝るものなんて無い。
こうなったのも人間の雌のお陰だ。あぁ、そうなった理由を話してやろうな。
15年前のある日、俺は誘拐された。
誘拐犯は人間の雌、もはや顔も覚えていないが良く俺の住まう猫カフェで俺ばかりを撫でていたのを覚えている。他の人間の雌が俺と遊ぶと横から奪う様な人間だった。
「んふふ、これで幸せよ。あなたは私の可愛いペットになるのよ。そっちの方が幸せだもの。ねぇ?」
夜中、突如連れ去られた俺は雌の家で暮らす事になってしまった。雌は俺を連れ去らう為に店の鍵から合鍵を作っていたらしい。何故、俺にここまで執着したのかだが雌が言うには雌の事業が失敗したさいに俺が擦り寄ったのが原因らしい。ぶっちゃけ、適当な人間に擦り寄ってたから覚えて無いけど。
とにかく、俺に癒やされた女は俺をペット‥愛玩動物として飼育しようと店員に駆け寄ったらしいが俺は店のナンバーワン人気。当然、断られた。だから、俺を誘拐したとの話だった。
正直に言おう、反吐が出る。
人間は何時も俺達をペットとして飼育する。自由なんて無い。確かに飯を貰えて温かい場所に居られるがそんなもの俺らの人生を渡す代わりにする事は当然の事だ。それなのに、飽きたら直ぐに飼育を人に任せる。または虐待する。挙句の果てには捨てる。おかしな生き物だ。
まぁ、そんな風に考えている俺がこんな雌の所に留まるはず無く仕事へ向かったすきに俺は逃げ出した。
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ここのつちゃん(プロフ) - 面白いなと思ったら知っている作者さんでした！！投稿頑張ってください！応援してます！ (2021年10月16日 14時) (
レス) @page38 id: c790a783a7 (このIDを非表示/違反報告)
さとう - 好き()更新頑張ってください! (2021年5月30日 7時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉 - 復帰おめでとうございます!!これからも頑張ってください！ (2021年3月31日 14時) (レス) id: c5ac09218a (このIDを非表示/違反報告)
きな粉 - 面白いです！更新頑張って下さいね (2021年1月11日 13時) (レス) id: c5ac09218a (このIDを非表示/違反報告)
欄 - 評価を５５６にしてしてしまった、、がんばえーーー！ (2021年1月1日 22時) (レス) id: 97c794166e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡
| 作成日時：2019年8月17日 16時
