6 ページ8
そう。Aは知識を欲していた。前世も好奇心と研究心の塊のような少女だったが、それは記憶を持った今世も変わらなかった。何せ知らない技術が多すぎる。Aの住んでいた孤児院は東の田舎にある。いくらこの世界の技術が優れているとはいえど都会も田舎もある。図書館があると言えども広さが違う。既に住んでいる地域の図書館も院の書庫も全てを読み漁ってしまった。それでは足りないのだ。だから彼女はWrwrd国中央学院に入学した、此処の学部は全７学部。この国でもトップクラスの教員が揃い、図書館にはこの国にあるすべての本が揃えられている。自分の知識欲を満たすのにこれほど良い場所はないだろう。
現に周囲に設置されている音響機器にAは目をつけていた。放送用のものだが、最新モデルの設備だ｡天井に取り付けられている証明は古い歴史ある品のようだが、手入れの方法を知りたい。駄目だと言われたので持ってきていないが、院にある彼女の部屋には彼女からすれば宝の山である薬草や古い本などがたくさんある。因みに１つ下の弟2人(実際には血が繋がっていないが院はみんな家族のような関係のため)からは早く捨てろと言われているし、実際に彼女が居ない今を良いことにゴミ捨て場に捨てられてたりしているが、そんなことを微塵も知らないAはワクワクとした様子であちらこちらをキョロキョロとしていた。
??「あ、あの。Aさん」
「なんでしょうか」
役員に声をかけられて立ち止まる。「その」とウジウジとしている彼にAは「ああ」と勝手に頷くと手を差し出す。それに驚く彼の手を問答無用で繋ぐと言った。
「これで良いでしょうか。言っておきますが私はA・ルートフィアであってA・レインヒューズではありません。」
??「え」
「違いましたか？てっきりアニメのSTAR・KLUTCHのファンの方かと思ったのですが」
??「あ、いえ、その、それは合ってるんですけど」
よくあることだった。Aの見た目が前世と変わらないためにアニメや漫画の自分のファンに追いかけ回されることは。面倒なもんで髪を魔法で変えて多少の違いは生んでいる。性格を変えれば良い話だが、好奇心とこの性格を変えることはできないし、何よりも自分を押さえつけることなんてAはしたくなった。だから、時々大きな街に行ってファンからジロジロと見られても気にせずに対応するようにしている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 322人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫のお餅(プロフ) - ｱｯ………好き(急な告白)とっても面白くて続きが気になります‼︎これからもご自分のペースで更新頑張って下さい‼︎ (2022年6月10日 12時) (
レス) @page31 id: 485dd0d011 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - お話読んでいたら、不意にコメント返信欄に自分の名前があってびっくりしました!推し作者様にコメント返信してもらえるなんて凄い嬉しいです♥やはり、鏡様は神様かもしれないです!本当にありがとうございますm(_ _)m (2022年6月3日 16時) (レス) @page31 id: f6eff76eec (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - めちゃくちゃ最高です!大変だと思いますがお体に気を付けて頑張ってください!応援してます!この作品大好きですし、作者様の鏡様には感謝感激です!ありがとうm(_ _)mございます (2022年6月2日 14時) (レス) @page24 id: f6eff76eec (このIDを非表示/違反報告)
柚衣 - う"ｯ…コメント返してくれる鏡様はやっぱり神です！はぁ…好きです。。。 (2022年6月1日 18時) (レス) @page20 id: a954c39e8d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…設定も作り込まれていて、読んでいてワクワクしてきます！作者様はオタクの心情をよくわかってらっしゃる…応援しています！無理せず、頑張ってくださいね！！大好きです！ (2022年5月31日 19時) (レス) @page20 id: 0688babc69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鏡
| 作成日時：2022年5月24日 15時
