召喚された料理人3

料理人の性格と人材 ページ5

なんとなく分かるかもしれないが、Aは自分の感情に素直な性格で1度決めたことは頑として曲げない。そこは彼女の良いところでもあるが、世間では頑固者とも言われる性格なのだ。分かりやすく言うと彼女は昭和の親父のような存在。つまり、決めてしまったことは、思ってしまったことは、全て進めていく。それで完璧に終わらせる辺りが彼女の凄いところだが、熱が入ると危険でもある。全く自分のことを労ろうとしないのだ。むしろ自分に負荷を掛けまくる。今までの人生でそんな性格故に緊急搬送されたり病院行きになったことが何度かあるくらいには自分を見ようとしない。

現に彼女は食堂計画を本格的に進めようと考えた日から隙間時間があれば机に向き合って色々な計算をしている。

先程から話されている料理もそうだ。軍医と患者の料理を作り提供する。とは言っても昨晩煮込んだ野菜スープとパンのセットメニューという簡易的なものだが。本来であればもう少しきちんとしたメニューにしたいところだが、さすがのAも手足は2本ずつしかない。ただでさえ大食いの幹部のために作る料理も大量なのに別メニューも朝昼晩作るとなると人手が足りなかったのだ。

『人材について少しでも考えないと、だね…』

そうAは静かに呟いた。最もこの国に良い腕前を持った料理人が居るとはAには思えないものだが。探すしかないだろう。




★★

お待たせ致しました。作者の鏡です。忙しさから中々投稿できず、申し訳ありません。課題が終わらず、しばらく更新は遅れるかもしれませんが気長にお待ちください。(2021/9/7)

彼女の料理→←怪我人と軍医のために

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す