ホットミルク ページ39
『こんな夜中ですからコーヒーではありませんが、代わりにホットミルクをご用意させていただきました。』
Tn「ホットミルク…？」
コーヒーでは無いのか、と少し残念に思いながらも新しい言葉に少しドキドキする。そんな俺の問に彼女は『ええ。』と頷いた。
『コーヒーは夜中に飲むと眠れなくなりますからね。ですが、温かい飲み物は睡眠を促します。トントン様、いくら忙しいとは言っても夜中はきちんと寝るべきですよ。』
Tn｢ウッ、でもそういうAさんやって起きとるじゃないですか。｣
『私は明日の仕込みをしたり料理を作っていただけですから。』とサラッと言い訳にならないような言い訳をされ、Aさんは下からマグカップを取り出した。そして小さめの鍋から恐らく牛乳であろうものを注いだ。
「温めたミルクですか？」
『ええ。あとはここに蜂蜜を入れます。本当なら生姜を入れたらさらに美味しいのですが、ないので今回は我慢です。』
そう言って取り出された瓶の中には並々と黄金色に輝く蜂蜜が入っていた。言っておくと蜂蜜はちょっとした高級品だ。これだけで金貨1枚はするんじゃないだろうか。いくら生活水準が高いうちの国とは言え、一般市民は買おうとは思わないだろう。だから蜂蜜を作る場所も少なく、値段も高い。まあ、それはそのまま食べる以外に方法が無いと思っていたからだが、Aさんはよく料理に使うのだと言っていた。そしてWrwrd国の経済は料理によって更に良くなっていくだろう、とも。最初は大した自信だと思っていたが、今や彼女の言うことを信じている俺が居た。いくらこちら側が召喚してしまった相手とは言え、ここまで信じるなんて自分らしくないようにすら思えてくる。
そんな俺の考えとは他所にAさんは静かに蜂蜜を掬っていた。スプーンから蜂蜜がミルクに落とされる。とろりとした黄金色に息を飲んだ。ササッと掻き混ぜ、『どうぞ。熱いので気をつけてくださいね。』とマグカップを渡される。
少し息を吹きかけて俺は息をついた。美味い。
ミルクから蜂蜜の香りがする。甘すぎず、何だか落ち着く飲み物だった。1口、また1口と飲み進める。カチカチカチという時計の音が静かに聞こえ、何だか眠たくなってきた。
『トントン様。』
「…なんですか？」
『眠くなっているところ悪いのですが、少しお聞きしたいことがございます。』
ーこれはトントン様の書類だけではありませんね？
怒ったような呆れるような声がした。
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ayaka(プロフ) - 言わせて下さい。軍パロ好きだし、面白いし、料理についての知識も得ることができるし,,,何なんですかね？神なんですか？ (2022年8月17日 23時) (
レス) @page8 id: 2f95417bd7 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 久々にサイトを開いたということもあり、先程続編を見てきましたが…リクエストせずとも夢主ちゃんが作ってくださってましたね(*´▽｀*) これからも素敵な描写とお話を楽しみにしていますね！ (2022年7月12日 10時) (レス) id: 44a9349275 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 「料理人として」にてtnが照れたのは何でなのでしょう…？夢主ちゃんの女神の微笑みでも見れたのかな(羨ま) リクエストで、某夢の国のトロトロスクランブルエッグが好きなので、夢主ちゃんに作っていただきたいです♡あと以前のコメに同士様がいたようで微笑ましい… (2022年7月12日 10時) (レス) @page49 id: 44a9349275 (このIDを非表示/違反報告)
みもにま - 七話のハーブとはのところにローズマリーが二つある気がします！とても面白いです、頑張ってください！ (2022年2月27日 9時) (レス) @page7 id: 64af1c6a62 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - みこちと申します。素晴らしいです。私も異世界食堂のクロスオーバー小説を書いてますが、この作品は凄いです。まさにプロの作家さんのレベルですね。私は良く異世界物の飯テロ小説を読みますが、これも大好きです。応援します！ (2021年9月1日 20時) (レス) id: e0b3c2b120 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡
| 作成日時：2021年6月28日 8時
