召喚された料理人2

陶器の茶碗とお箸 ページ23

Em「箸？確か…東洋のフォークのようなものでしたよね」

『そうです。前に話したことがある通り私の居た国も東洋に位置していました。何となく分かりますよね？』

Gr「その箸とやらで夕飯を食え、ということか。」

ふむ、と興味深そうに言った総統閣下。それぞれに箸を配ると興味深そうに触っていた。

Ht「箸か。懐かしいね。また使えるなんて思わなかったよ。」

Zm「こんな棒で食えるんか？突き刺すとか？」

『持ち方があるんですよ、ゾム様。教えますから突き刺すのはお行儀が悪いので止めてくださいね。』

難しそうな顔をして両手では箸を握りしめるゾム様にそう言うと「分かった!」と素直に箸を置かれた。

『箸はこれ一つで料理を切ったりすることができます。それにこれからはお米が主食になると思うので慣れていただく必要があります。』

茶碗にご飯をよそい、それぞれに渡していくと更に興味深そうに茶碗を手にした。

Em「これがお米ですか。実際に食べるのは初めてですが、綺麗なものですね。」

Ni「せやな。そういや、この食器はあれか。俺が職人に注文しといた陶器やな。」

兄さんの言葉に頷く。茶碗は兄さんとトントン様に注文した品の一つだ。食器とは言っても、城ではスープ用の磁器しか無かったのできちんとした茶碗をきちんとした陶器の職人さんに作ってもらったのだ。磁器よりも安いはずの陶器での注文に彼らはだいぶ驚かれていたが、城の経費を考えても陶器を選ばせていただいた。まあ、単純に磁器よりも陶器の方が好きだという私の感性もあるのだけれどね。

Gr「陶器で食べ物を食すことじたい無かったが、ふむ黒がよく映える。中々良いものだな。」

Sha「黄色もかわええぞ。俺の食器ってなんだか嬉しいし。」

茶碗をマジマジと見ながら頷く総統閣下。どの幹部様も陶器の食器を起きに召されたようでなんだか嬉しいものだ。するとトントン様が「あれ？」と声をあげた。

Tn「でも、この箸？は注文書に無かったはずですよね。いったいどないしたんですか？」

Rb「よく聞いてくれたな、トントン！」

私が答える前に勢い良く言ったのはロボロ様だった。

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