司書さん、ヒーローになるそうです！！ (ページ2)

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一冊目ページ2

Noside

USJでの災害救助訓練ヴィラン襲撃後

応援が駆けつけ、ヴィランは退(しりぞ)いた。

その事に、生徒も教師陣も、

酷く安堵していた時だった。

USJ内の電球が点滅し始め、軈(やが)て

アナログテレビが消える様な、

ブツンッという音を立てて消えた。

それにより教師陣は、またもや

警戒態勢を取り、生徒は怯える者と、

警戒を強める者に二分した。

辺りを警戒し、対応準備をしていた。

次の瞬間、何か、形容し難い悪寒が、

背筋を走った。

その場の空気が、その一瞬で、

重くなったと錯覚させる様な。

原因は、広場にあった。

とても、この世に存在しているとは、

思えないものだった。

黒く、憎悪を感じさせる様な瘴気を纏い、

姿としては、動物や人間の姿をとっていた。

群を成すようにしているそれは、

50を遥かに超えていた。

その場の誰もが恐怖し、その底の

見通せない敵に立ち向かおうとした時、

その場に似つかわしくない、本を頁を

捲(めく)る音がした。

「わたしは良心を持っていない。

わたしの持っているのは

神経ばかりである。｣

「人間はしばしば

希望にあざむかれるが、

しかし、また、｢絶望｣という観念にも

同様にあざむかれる事がある。｣

｢実に嬰児(えいじ)の目を見るときばかりは、

人間はみな清く美しい星の化身

とうなずかれる｣

｢あなたの方から見たらずいぶん

さんたんたるけしきでしょうが、

わたくしから見えるのはやっぱり

きれいな青ぞらと

すきとおった風ばかりです。｣

鈴を転がすような声の音が、

頁を捲る音と共に不意に途切れた。