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恐らく兵士のほとんどが出払っているのだろう。危惧の一つであったイェーガー派との遭遇の可能性は低いと踏んだ彼らは、歩を少しばかり緩めて本部の廊下を進んでいた。
ここで体力を消費しすぎると後がもたない。その上戦力になるのはベンひとりだ。体力温存は優先事項の上を占めた。
「…ここも人はいないみたいですね」
「うん。相当マーレの兵士が多いんでしょう。残ってるのは訓練兵くらい、かな」
「訓練兵？」
「確か今日ここで対巨人訓練の予定だったはず。その申請が来てたから」
「……彼らにとっては最悪の初陣になりますね」
「そうね…。戦意を喪失してないといいけど……。この状況じゃ、生き残る気力を無くした者から落とされていくわ」
ルアナはベンの背中の上で首だけ横に向けた。
窓の向こうは言葉通り戦場だ。それも巨人ではなく、人対人の戦場だ。距離を取れば安全というわけにはいかない。あの頃と違うのは遠距離攻撃があること、そして敵一人一人に知性があるということ。たった一人のそれなら大した違いにもならないが、それが何十、何百と膨れていけば大きな差となる。
私の知らない戦争。これが、世界。待つことしかできなかったこの四年間、みんなが戦っていたのは銃弾と生身の人間だったのだ。
「……私は何も、わかってなかった…」
小さく呟く。
それは当然ベンにも聞こえていたが、彼は背中の彼女を気にかけるようにそっと目をやっただけで何も言うことはなかった。
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なぎさ(プロフ) - 何回も見返すほど大好きです！！更新楽しみにしてます！ (11月21日 13時) (
レス) @page33 id: 548ee16a42 (このIDを非表示/違反報告)
春花(プロフ) - こちらのシリーズとっても大好きでいつも更新を楽しみにしてます‼︎完結まで頑張ってください、完結まで応援させてください‼︎ (11月5日 16時) (レス) id: 27efe983cc (このIDを非表示/違反報告)
ああ - このシリーズ大好きですっ (10月11日 23時) (レス) @page11 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - ずっと応援します‼︎大好きです！ (10月10日 15時) (レス) @page11 id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - このシリーズマジで面白くて大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (8月9日 21時) (レス) @page1 id: 5b99419290 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年8月2日 9時
