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「おい！お前何者——」
ブシャッ——。
目の前で次々と部下が斬られていく。一人獣の巨人に向かっていたリヴァイとは距離があり、いくら人類最強でも瞬間移動は叶わない。部下の犠牲は防げなかった。
急ぎ部下の元へ向かう中、もちろん彼らの安否が一番ではあるが、実際リヴァイの目は問題の調査兵に奪われていた。
立体機動装置を熟知しているあの動き、無駄のない身のこなし、軽やかに翻る深緑のマント、そして何より全くガスの音を立てずに刃を立てる戦法——。
何もかもが、脳裏に浮かぶ彼女と一致している。
まさか、そんなバカなことがあるわけ——……。
表面上は否定したくてたまらないが、内心はもうその可能性しか考えられなくなっていた。その証拠に裏切り者を追おうと駆け出していた部下を大声で止めていた。
「追うな！！奴は俺が追う！」
もはや作戦など二の次だった。
とにかく確かめなければ——。人違いなら捕虜として捕えればいい。とにかく奴を野放しにする方が危険だ。
「…クソっ、速ぇな」
思わず悪態をついてしまうほど、相手は余裕綽々な様子で先を飛んでいる。
ただもう少しで高い建物に突き当たる。そうすればいくら手慣れてようと旋回か方向転換する他ない。相手が失速したところを全速力で追いつき捕縛する。それがリヴァイの策だった。
あの時と、立場が逆転したな。
追いかけるスピードは緩めぬまま、彼の脳裏に10年ほど前の記憶が蘇る。陰気臭い地下街、初めて空中戦に負けた苦い思い出だ。
そう、あの時もこんな局面だった。太い柱で旋回した時、被っていたフードが外れて見えた、金糸の髪と蒼眼——。
「っ、……」
記憶の中の彼女と同じタイミングで、目の前の兵士が建物にアンカーを射出して旋回しようと勢いをつける。アンカーが巻かれる音と共にひらりとマントが翻る。その風圧で被っていたフードが外れる。
旋回したことで兵士がこちらに顔を向けた瞬間、リヴァイは息を呑んだ。
「はっ、」
心臓が止まったかのように息が詰まる。細い三白眼が大きく開かれた。
「……嘘、だろ」
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あんこもち(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。確かにマーレ急襲時にはスカーフを巻いていませんが、リヴァイはやはり通常時にはスカーフを巻いていることが多いのでそのように表現しております。分かりにくく申し訳ございません。 (11月19日 11時) (
レス) @page35 id: d1838a7b16 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 854年のリヴァイさんは最初の方だけスカーフをしていなかったと思いますが... (11月19日 0時) (レス) @page35 id: 633d257dbd (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 最高スギィ！もう毎朝学校行く前に読ませて貰ってます‼︎これからも頑張って下さい応援してます❤️ (5月15日 2時) (レス) id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
んご - めっちゃ最高です！更新頑張ってください！！ (4月30日 7時) (レス) @page6 id: 2dc34b573e (このIDを非表示/違反報告)
高橋 - 頑張ってください！ (2023年4月1日 23時) (レス) id: 2973651174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年3月22日 16時
