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指揮系統が崩壊したマーレ軍が特別警戒訓練中の陸軍一個師団と沖の艦隊、東西から3万の兵力を召集する中、島の悪魔と呼ばれる立体機動隊は着実にマーレ軍兵を撃ち落としていた。
始祖簒奪者エレン・イェーガーによって、式に参加していた要人ら主要国家は当事者となった。これはヴィリー・タイバーの思惑通りなのだが、世界にエルディア帝国の脅威が知れ渡ったのだ。
世界は彼らを生かしておくわけにはいかないだろう。もちろんそれは彼らも承知している。それならば、なぜこんな強硬策に出たのか——。
今はそれを語る余裕はなさそうだ。
彼らは屋上で銃を構えるマーレ兵に雷槍を打ち込み、建物に潜む敵兵に火炎弾を投げ込んだ。おかげであちこちから火が上がっている。
作戦と異なる状況に、この空中戦の指揮を執るジャン・キルシュタインは歯軋りした。
「あいつら…っ」
彼らの方へ走りながら、ジャンは心の中でぼやいた。
指揮官って簡単じゃねぇな、ほんと。
「おい！収容区ごと燃やすつもりか！！」
ジャンが怒鳴っていった先には同期のフロックが燃える収容区を見下げて息を切らしていた。
「民間人への被害は最小限に抑えろ！分かってんのかフロック！！」
「っ、ここにいるのは敵と敵の住む建物だけだ。俺たち壁内人類がどれだけ壁の外の奴らに殺されてきたか忘れたか？食い殺されたんだぞ！まだまだこんなもんじゃ済まされねぇよ！！」
それとこれとは違ぇんだよ、と叫びたくなる衝動をグッと抑え、ジャンは必死で冷静さを欠くまいとフロックに迫った。
「お前、まだそんなこと言ってんのか——」
「見ろ」
「あ"？」
フロックが指さしてジャンに示す。その先には何か鋭いものに突き刺されたエレンの巨人の体があった。
「エレンは示した。戦えってな」
フロックはあれをパラディ島勢力の指針となるものと言った。だがジャンには到底そうは見えなかった。あれを見たとて鼓舞にも激励にもならない。ただ心臓が針に刺されたように疼くだけだ。
「俺たちにはあの悪魔が必要だ」
そう言い残してフロックは次の地点へと飛んで行く。
一人残されたジャンは闇夜で黒く、そして今や炎で一部が赤く揺れる空を見上げた。
どうすれば人ってついてくるんすかね。
「………聞いときゃよかったな」
ジャンの脳裏で金糸の髪がふわりと揺れた。
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あんこもち(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。確かにマーレ急襲時にはスカーフを巻いていませんが、リヴァイはやはり通常時にはスカーフを巻いていることが多いのでそのように表現しております。分かりにくく申し訳ございません。 (11月19日 11時) (
レス) @page35 id: d1838a7b16 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 854年のリヴァイさんは最初の方だけスカーフをしていなかったと思いますが... (11月19日 0時) (レス) @page35 id: 633d257dbd (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 最高スギィ！もう毎朝学校行く前に読ませて貰ってます‼︎これからも頑張って下さい応援してます❤️ (5月15日 2時) (レス) id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
んご - めっちゃ最高です！更新頑張ってください！！ (4月30日 7時) (レス) @page6 id: 2dc34b573e (このIDを非表示/違反報告)
高橋 - 頑張ってください！ (2023年4月1日 23時) (レス) id: 2973651174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年3月22日 16時
