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「…それで？何か用があるんじゃないの」
「ああそうそう。今日の作戦を伝えにきたのさ」
「…………作戦、」
ここでやっと彼女が窓から目を離した。振り向いて見えた彼女の顔には「祭りの日に作戦」と怪訝に思っている内心がありありと表れていた。
「そう。今夜行われる舞台の警護、と言えばいいかな？」
ジークは言葉を変えてみるが、彼女が納得した様子は伺えない。恐らく口には出さぬとも、今夜の祭りの裏で何かが動いていることに、今の「作戦」という言葉で勘づいているのだろう。
相変わらず利きの良い目先にジークは苦笑した。
「……それで。今回は何をしろと」
「ルアナちゃんには俺が殺されないように警護してほしいんだ」
「ジークの…。タイバー家じゃなくて？」
「まあまあ、細かいことは置いといて。その中で一人、君に任せたい敵がいる。これがその人物の似顔絵だ。持っておくといい」
ジークは懐から一枚の紙切れを取り出し、彼女へ突き出す。彼女は一瞬だけそれを見つめた後、ゆっくりと足を進めて紙を受け取った。
「……で、この男は何者なの」
「それは君が知らなくてもいいことだ。ただ敵に俺がいると思っておけばいいよ。とにかく面倒で厄介なんだ。ルアナちゃんはただ、こいつが俺の周りをうろつかないように妨害するだけでいい」
「……殺していいの」
「いや、殺さなくていい」
ジークが即答すると、彼女は大きなその蒼い瞳をパチクリとさせた。
「………殺さないの」
「そうだ。でも殺す気で妨害すること。舐めてかかるとあっという間に向こうのペースに飲まれるからね」
珍しくジークが真っ正面から強さを認めていることに驚いているのか、彼女は情報を飲み込むのに時間がかかっているようだ。
ほんの少し紙切れを見つめた後で「分かった」と小さく言って顔を上げた。
「……合図は、」
「ん？…あぁ、今回は巨人にならないよ」
「……………」
彼女の眉根がくいと動く。
まあ当たり前の反応か、とジークは徐ろに眼鏡を外し、レンズを服の裾で擦った。
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あんこもち(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。確かにマーレ急襲時にはスカーフを巻いていませんが、リヴァイはやはり通常時にはスカーフを巻いていることが多いのでそのように表現しております。分かりにくく申し訳ございません。 (11月19日 11時) (
レス) @page35 id: d1838a7b16 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 854年のリヴァイさんは最初の方だけスカーフをしていなかったと思いますが... (11月19日 0時) (レス) @page35 id: 633d257dbd (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 最高スギィ！もう毎朝学校行く前に読ませて貰ってます‼︎これからも頑張って下さい応援してます❤️ (5月15日 2時) (レス) id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
んご - めっちゃ最高です！更新頑張ってください！！ (4月30日 7時) (レス) @page6 id: 2dc34b573e (このIDを非表示/違反報告)
高橋 - 頑張ってください！ (2023年4月1日 23時) (レス) id: 2973651174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年3月22日 16時
