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「…………何？」
「っ…………」
呼び止めたはいいものの、何を言えばいいかわからない。
必死に頭を回した結果、出てきたのは捻りも何もないシンプルな問いだった。
「その、あなたは本当に…っ、本当に何も覚えてないんですか」
なんて馬鹿な質問だろうと思った。こんなこと聞いてもどうすると。だが実際、4年前のあの日から疑問に思っていたことは確かだ。
あの調査兵団の副団長だった彼女が、『戦場の女神』であった彼女が、本当に何もかも忘れてしまったのか。忘れたくても忘れられないほどの大きな功績と罪過を、あの島でいくつも残しているというのに。
しかしライナーの内心とは裏腹に、彼女はほんの少しだけ眉根を寄せて淡々と答えるだけだった。
「………質問の意図が、分からないけど」
「っ…………」
本当に意味が分からないのだろう。ライナーの目には彼女が嘘をついているようには思えない。だが納得は出来なかった。
「………嘘だ」
「………何が？」
「っ…、あなたはっ！……あなたは、――っ」
『あぁそうだライナー』
その時、4年前の帰還した日に言われたジークの言葉が脳裏をよぎる。
『ルアナちゃんにパラディ島でのことを話すのはダメだよ。いくら記憶は消えたとはいえ彼女は頭がいい。ちょっとしたことで気づく可能性は0じゃない。お前は彼女をまだ副団長として見ているのかもしれないが、今の彼女はただの捕虜だからね。
くれぐれも副団長なんて呼ばないように。いいね？』
「っ、………」
「私が、なに？」
「……いえ、なんでもありません…」
ライナーは顔を伏せた。
言えない。彼女がどれだけ侮れないかは、あの島で過ごした5年間で強く身に染みて感じている。
記憶があろうとなかろうと、この人は確かにあのルアナ・クライストなのだから――。
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あんこもち(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。確かにマーレ急襲時にはスカーフを巻いていませんが、リヴァイはやはり通常時にはスカーフを巻いていることが多いのでそのように表現しております。分かりにくく申し訳ございません。 (11月19日 11時) (
レス) @page35 id: d1838a7b16 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 854年のリヴァイさんは最初の方だけスカーフをしていなかったと思いますが... (11月19日 0時) (レス) @page35 id: 633d257dbd (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 最高スギィ！もう毎朝学校行く前に読ませて貰ってます‼︎これからも頑張って下さい応援してます❤️ (5月15日 2時) (レス) id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
んご - めっちゃ最高です！更新頑張ってください！！ (4月30日 7時) (レス) @page6 id: 2dc34b573e (このIDを非表示/違反報告)
高橋 - 頑張ってください！ (2023年4月1日 23時) (レス) id: 2973651174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年3月22日 16時
