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ハンジはポンポンとベンの背中を叩くと、リヴァイの隣に並んだ。
「私とリヴァイで行ってくる。新兵を頼んだよ、ユーリ」
「っ、はい……」
リヴァイが再び歩き出し、アンカーを刺して壁から飛び降りていく。
その背中が本当は泣きそうであることを、ハンジは気づいていた。もう一度小さく息を吐き、ハンジも壁から飛び降りた。
先に地上に降り立ったリヴァイは既に一つの民家に向かって歩き出している。ハンジは駆け寄ることはせず、一定の距離を開けたまま彼の後を追った。
つい小一時間前にエルヴィンの遺体を置いた民家に入る。そこは近くに川が流れており、水の音が心地よい。風通しも良く、日当たりも申し分ない。
民家の二階の寝台にエルヴィンが横になっていた。
「ちょっと待って。今やるから」
ハンジはリヴァイに一言かけると、別の部屋から引っ張ってきた毛布を寝台の傍に敷いた。
「添い寝だけは嫌だからな」
「はは、ほんとルアナのことになると仲悪いんだから、君たち」
「あいつがロリコンなだけだ」
「はいはい」
ハンジがよいしょと腰を上げ、その場を譲る。何枚か重ねた柔らかい毛布の上に、リヴァイはそっとルアナの遺体を寝かせた。
「……ほんと、眠ってるみたい」
「………あぁ」
ハンジはルアナの頭の上で膝を折り、自分のマントを脱いだ。何回か折りたたんで高さを出したそれを彼女の頭の下に置き、そっと彼女の髪を撫でた。その途端、我慢していた感情が再び溢れ出た。
「っ……、ごめっ…」
ぽろぽろと大粒の涙がハンジの頬を濡らす。
堰を切ったように泣きじゃくるハンジを一瞥し、どさっとルアナの横で胡坐をかいたリヴァイは、その手を彼女の手に添えた。
「……気にすんな」
ハンジの嗚咽と川や風の音だけが響く。
ハンジが泣き崩れるのも無理なかった。なにせ、ルアナと最も長い時間を過ごしたのはハンジだ。訓練兵時代から10年以上、相棒としてこの世界を連れ添ったのだ。
家族も同然、彼女たちは二人で一つだった。
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あかまる(プロフ) - 素敵な作品で終盤はずっと泣いてました…。この作品に出会えてよかったです。ありがとうございます。 (12月31日 10時) (
レス) @page32 id: eb52eba48a (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 最後めちゃくちゃ泣きました。面白かったです！！ (9月8日 23時) (レス) @page33 id: d425432768 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました…… (2023年4月3日 0時) (レス) @page32 id: f171f4e286 (このIDを非表示/違反報告)
かりおすとろ(プロフ) - 細かいキャラ設定、原作への忠実さ、どれも素晴らしく、キャラクター・作品への愛が非常に伝わってきました。とても素人は思えぬ構成とキャラ設定、まるで公式作品を読んでいるようでした。結末も原作らしくて好きです。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2023年3月31日 23時) (レス) id: 33ef6f580f (このIDを非表示/違反報告)
輝音翔(プロフ) - この作品何回も読み返すぐらい好きでまさかの続編ですか。ありがとうございます！とても素敵な作品の続きが見れるなんて… 応援してます！頑張ってください！ (2023年3月22日 20時) (レス) id: 0627dd355a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2022年9月10日 8時
