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「お前っ、今がどういう時だか分かってるのか！そんなことにかける時間は無いんだ！」
だがその提言が新兵からか、はたまた経験豊富な幹部からでは同じ可能性でも信ぴょう性は異なる。現に一人の兵士がアルミンに詰め寄っている。
そういった経験値や信頼度はどうにもならない。ここは助け舟が必要か、とルアナが口を開きかけたところでアルミンが大きな声を出した。
「しかし敵はっ、いつだってあり得ない巨人の力を使って僕たちを追い込んできました！誰でも思いつく常識の範疇に留まっていては、到底敵を上回ることはできないのですっ！」
最近の若者には驚かされてばっかりだとルアナは僅かに口角を上げ、迷うことなく信煙弾を打ち上げた。
「ふく、だんちょ……」
作戦中止の合図を知らせる、赤の信煙弾だ。
アルミンは思わず言葉を詰まらせた。
「言ったはずよ」
「っ………」
「兵士の原理原則にのっとり、最善を尽せと」
「…………」
「指揮系統を順守しなさい」
ルアナも通ってきた道だ。
女だから、まだ若いから、経験が少ない成り上がりだから。そうやって言葉を発するたびに不服の目を向けられ続けてきた。
「私たちは一体、何しにここに来たの」
「っ………」
「巨人に勝つため、そうでしょう？」
茨の道だ。誰も通りたがらない、苦難の道。でもそれは、人を強くする。次世代のダイヤの原石には、その道を進んでもらわなければならない。
「っ、再び二手に分かれ壁面の調査を！扉の上部から入念に、捜索開始っ！！」
アルミンは再び意を決してお腹の底から声を張り上げた。もうそこに、先までの迷いも後ろめたさもない。
「りょ…っ」
「「「了解っ！！」」」
ルアナは一回り逞しくなったアルミンの表情を見守りながら、すっかり私も鬼だなと自分に呆れたように一つ息を吐くのであった。
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蒼空 - 夢主死なないで泣 (2022年9月10日 21時) (
レス) id: e5ebd447b1 (このIDを非表示/違反報告)
まんごすちん(プロフ) - ひぇぇぇ…胸が…締め付けられる…続きが…気になる…ｸﾞﾌｩ (2022年9月10日 0時) (レス) @page49 id: bff1e932e9 (このIDを非表示/違反報告)
もちち(プロフ) - どどどどどどうなってしまうのか気になって夜しか眠れません…！！！！初コメ失礼しました、！！！ (2022年9月4日 23時) (レス) @page44 id: 65f0ff2c55 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 夢主は死なないですよね？生きてほしい… (2022年9月2日 22時) (レス) @page39 id: ca2fa3b081 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - もう何度泣いたか分かりません(*_*)本当に素敵な小説をありがとうございます。是非最後まで完走してください（涙）応援しています！毎日の楽しみです。 (2022年8月29日 21時) (レス) id: 303cf5547a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2022年8月1日 9時
