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彼女が見つめる先で、外門を塞いだエレンたちがこちらに向かって走ってきている。
「副団長、エレンたちが内門を塞ぎに来ます。どうしますか。敵を見つけるまで作戦は中止、でしょうか」
「いや、続行よ。この敵地で長期戦は避けたい。短期決戦だけが私たちに残された唯一の道だからね。それも全て敵の思惑通りなら、それに付き合うのも悪くない手でしょ。何も隠し事があるのは彼らだけじゃないしね」
ルアナはそっとマントの下に忍ばせているモノに触れた。
と、その時、区内側から耳を貫く鋭い音と少量の煙が上がった。アルミンの音響弾だ。
再び壁上にアルミンたちが戻ってきた。
「アルレルト、見つけたのか！」
「敵はどこだ！」
ルアナも急ぎ足でアルミンの方へ足を進めた。
「まだです！全員で壁を調べてください！」
アルミンの迷いのない指示に、ルアナははたと足を止めた。
壁には何も異常はなかった。何より調査兵団が真っ先に調べた場所だ。どこにも異常が無かったために事態が硬直しているのだ。
そう、異常はなかった。
壁の外には――。
「壁はもう調べたと言ったろ！」
「何も異常なかったぞ」
ただ、まだ彼らが調べていない場所がある。
「どこにも隠れられる場所は――」
「壁の中です！」
――壁の中だ。
ルアナもアルミンに言われなければ気づかなかった。それはエルヴィンも同じようで、ルアナの向かいでハッと息をのんでいる。
「きっと人が長い間入っていられる空間がどこかにあるはずです！」
ストへス区で見た、壁の中の巨人――。巨人が壁の中にいるのなら、ちっぽけな人間が三人隠れられる場所があったって何らおかしなことはない。
いつ何時エレンが現れても対応できる位置、常に状況が見渡せる位置――。もしそんな死角があるとすれば壁の中しかない。
こちらが壁の中の巨人を知っていると敵が知らないなら、そんな発想はしないと踏んでいるのなら――。
「なぜそれが分かる！」
「……勘です」
何の根拠がなくたって、可能性が少しでもあるのなら試してみる価値は十分にある。
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蒼空 - 夢主死なないで泣 (2022年9月10日 21時) (
レス) id: e5ebd447b1 (このIDを非表示/違反報告)
まんごすちん(プロフ) - ひぇぇぇ…胸が…締め付けられる…続きが…気になる…ｸﾞﾌｩ (2022年9月10日 0時) (レス) @page49 id: bff1e932e9 (このIDを非表示/違反報告)
もちち(プロフ) - どどどどどどうなってしまうのか気になって夜しか眠れません…！！！！初コメ失礼しました、！！！ (2022年9月4日 23時) (レス) @page44 id: 65f0ff2c55 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 夢主は死なないですよね？生きてほしい… (2022年9月2日 22時) (レス) @page39 id: ca2fa3b081 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - もう何度泣いたか分かりません(*_*)本当に素敵な小説をありがとうございます。是非最後まで完走してください（涙）応援しています！毎日の楽しみです。 (2022年8月29日 21時) (レス) id: 303cf5547a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2022年8月1日 9時
