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こいつはまだ殺せない。誰か、生きている奴に食わせなければならない。瀕死でもいい。まだ息さえあれば、この注射を使って巨人にする。そいつにこいつを食わせて獣の巨人の力を奪う。
誰か、一人だけ、生き返らせることが――。
そう考えた時、リヴァイの脳裏に浮かんだのはたった一人だった。リヴァイは咄嗟に顔を曇らせる。
分かってる。序列を考えれば真っ先に助けなければならないのはルアナじゃない。エルヴィンだ。この注射を使えばあいつの失った右腕も戻ってくる。
…分かってる。分かってるんだ。だが………。
「クソっ……」
リヴァイの思考はもうルアナの安否のほかに考える余裕はなかった。そのせいだろう。忍び寄る巨大な気配さえ感じ取れなかった。
リヴァイが気づいた時にはもう真後ろにそれはいて、咄嗟に立体機動で避けた時には、奇妙な姿をした巨人が捕らえたはずのジークを咥えていた。
「っ！」
リヴァイは咄嗟にその巨体にアンカーを刺そうとするが、巨人の足が速すぎて間に合わない。
そのまま地に降り立ったリヴァイはジークが連れ去られるのをただ茫然と見送ることしかできなかった。
「………おい、どこに行く。止まれ…」
奴を追おうにも、唯一の立体物である巨人はルアナと共に倒してしまった。立体機動も使えず、あの速さではいくらリヴァイが最速で走ったって追いつかない。
もう、なす術が無かった。
「………ルアナ、」
リヴァイは地にブレードを突き刺して立ち上がり、よろよろとルアナが落ちていった方へと足を進めた。
痛いほど心臓が胸を打っていた。
もう彼の瞳からも炎は消えていた。
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蒼空 - 夢主死なないで泣 (2022年9月10日 21時) (
レス) id: e5ebd447b1 (このIDを非表示/違反報告)
まんごすちん(プロフ) - ひぇぇぇ…胸が…締め付けられる…続きが…気になる…ｸﾞﾌｩ (2022年9月10日 0時) (レス) @page49 id: bff1e932e9 (このIDを非表示/違反報告)
もちち(プロフ) - どどどどどどうなってしまうのか気になって夜しか眠れません…！！！！初コメ失礼しました、！！！ (2022年9月4日 23時) (レス) @page44 id: 65f0ff2c55 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 夢主は死なないですよね？生きてほしい… (2022年9月2日 22時) (レス) @page39 id: ca2fa3b081 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - もう何度泣いたか分かりません(*_*)本当に素敵な小説をありがとうございます。是非最後まで完走してください（涙）応援しています！毎日の楽しみです。 (2022年8月29日 21時) (レス) id: 303cf5547a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2022年8月1日 9時
