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「お前の言う通りだ」
恐怖で動けない新兵たちの方へ目を向けながら、エルヴィンが静かに言った。
「どの道、我々はほとんど死ぬだろう。いや、全滅する可能性の方がずっと高い。それならば玉砕覚悟で勝機に懸ける戦法もやむなしなのだが……」
エルヴィンはそう話しながらリヴァイの横を通り過ぎ、近くの民家へと足を進めた。
「……そのためには、その若者たちに死んでくれと一流の詐欺師のように体のいい方便を並べなくてはならない」
リヴァイはルアナを気にかけつつも、エルヴィンの後を静かに追った。
「私が先頭を走らなければ誰も続く者はいないだろう。そして私は真っ先に死ぬ。地下室に何があるのか知ることもなくな」
「……は？」
エルヴィンは大きくため息をつき、民家の壁に沿って置かれている木箱に腰を下ろす。その表情は見たこともないほど頼りなく、発せられた言葉にはもはや団長の威厳など無かった。
「……俺は、このまま地下室に行きたい」
背後でルアナが小さく震える気配がした。
「俺が今までやってこれたのも、いつかこんな日が来ると思ってたからだ。いつか、答え合わせができるはずだと…」
今目の前で座って話しているのが調査兵団の団長ではなく、エルヴィン・スミスという一人の男に過ぎないのだと、そう感じずにはいられなかった。
「何度も…、死んだ方がマシだと思った。それでも、父との夢が頭にチラつくんだ…っ。そして今、手を伸ばせば届くところに答えがある…！っ……、すぐそこにあるんだ…」
喉から手が出るほど探し求めていたそれが、もうすぐそこにある。掴もうと思えば掴めるところに――。
きっと彼が調査兵団団長でなければ迷わず手を伸ばしただろう。ただのしがない兵士だったらどれほど良かったことか。
だが、彼は、彼の背後には――……。
「……見えるか、俺たちの仲間が。」
今まで死んでいった兵士たちが、まるで本当にそこにいるかのようにルアナたちを囲むように立ち、そして皆揃って彼らを見つめている。
「仲間たちは、俺らを見ている。捧げた心臓がどうなったか知りたいんだ。まだ戦いは終わってないからな」
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蒼空 - 夢主死なないで泣 (2022年9月10日 21時) (
レス) id: e5ebd447b1 (このIDを非表示/違反報告)
まんごすちん(プロフ) - ひぇぇぇ…胸が…締め付けられる…続きが…気になる…ｸﾞﾌｩ (2022年9月10日 0時) (レス) @page49 id: bff1e932e9 (このIDを非表示/違反報告)
もちち(プロフ) - どどどどどどうなってしまうのか気になって夜しか眠れません…！！！！初コメ失礼しました、！！！ (2022年9月4日 23時) (レス) @page44 id: 65f0ff2c55 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 夢主は死なないですよね？生きてほしい… (2022年9月2日 22時) (レス) @page39 id: ca2fa3b081 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - もう何度泣いたか分かりません(*_*)本当に素敵な小説をありがとうございます。是非最後まで完走してください（涙）応援しています！毎日の楽しみです。 (2022年8月29日 21時) (レス) id: 303cf5547a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2022年8月1日 9時
