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壁の上に到達した鎧は、一度そこで戦況を見渡す。馬の位置を確認し、そこでふと視線を感じた鎧は左横に目線をやる。
そこには一人静かに佇むエルヴィン・スミスの姿。鎧ら巨人たちにとって最も脅威となる人物の一人。彼を殺せば戦況は一気にこちらへ傾くだろう。
そんな人物が無防備にもたった一人でそこに立っている。
彼から目を外し、登ってきた方へ顔を向けると、一際目を引く後ろ姿。あれは恐らくルアナ・クライストだ。あれもできれば排除しておきたい脅威の一つだ。
鎧の頭に様々な煩悩がよぎるが、先にやるべきは馬を殺すことだ。それなのに――。
目を細めてしまうほど眩い光が背後であたりを照らす。エレンの巨人化だ。ライナーはすぐに調査兵団の目的が馬からエレンに目標を変えさせることだと気づく。
考える時間さえ与えてくれない団長の存在に、ライナーは思わず項の中で苦々しく笑った。彼には結局、選択肢は一つしか残されていなかった。
思惑通りエレンを追って登った壁を再び向こうへ降りていくのを後ろ目に確認しながら、ルアナは屋根の上を伝って旧市街地へ降りていた。
こちら側では小型の巨人が既に動き出し、馬を移動させている新兵を狙うように市街地の合間をぬって近づいていた。
「新兵！残りの馬を西側に移して！ディルク班は新兵の援護を！」
「「了解っ！！」」
指示を飛ばしながらルアナも小型の巨人を狩っていく。
今回の新兵の多くは憲兵から移ってきた者たちだ。故に巨人自体、見ることが初めてだという兵士も少なくない。そのせいか馬を移動させるだけだというのに時間がかかっている。
このままでは援護に徹している班の方が先に限界を迎えてしまう。
「クソ、俺が行く。お前はそのまま指示に徹しろ！」
「うん」
巨人に遭遇して足を止める新兵に舌を打ちながらリヴァイが援護へ向かっていく。
ルアナもすかさず新兵の方へと向かった。
「足を止めないで！モタモタしている余裕はないよ！」
「は、はいっ。すみません！」
おかっぱ頭の新兵が他の新兵たちを連れて馬を引いていく。
その向こうでリヴァイが援護班に声を上げていた。
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蒼空 - 夢主死なないで泣 (2022年9月10日 21時) (
レス) id: e5ebd447b1 (このIDを非表示/違反報告)
まんごすちん(プロフ) - ひぇぇぇ…胸が…締め付けられる…続きが…気になる…ｸﾞﾌｩ (2022年9月10日 0時) (レス) @page49 id: bff1e932e9 (このIDを非表示/違反報告)
もちち(プロフ) - どどどどどどうなってしまうのか気になって夜しか眠れません…！！！！初コメ失礼しました、！！！ (2022年9月4日 23時) (レス) @page44 id: 65f0ff2c55 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 夢主は死なないですよね？生きてほしい… (2022年9月2日 22時) (レス) @page39 id: ca2fa3b081 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - もう何度泣いたか分かりません(*_*)本当に素敵な小説をありがとうございます。是非最後まで完走してください（涙）応援しています！毎日の楽しみです。 (2022年8月29日 21時) (レス) id: 303cf5547a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2022年8月1日 9時
