side story��-1 ページ18
【イルゼの手帳――ある調査兵団員の手記――】
第49回壁外調査――。
最初の兵站拠点に到着した調査兵団。
「はあ〜〜〜、あの堅物、分からずや……」
簡易テントの中で大きなため息が響いた。
「一体、何がダメなのさ」
机に手を置き、大きく息を吐いたハンジの手元には、ついさっきエルヴィンに突き返された巨人捕獲作戦の提案書。
受理されずに手元に戻ってくるのは何度目か。見向きもされないことに悔しさよりも怒りが湧き上がってくる。
「これじゃあいつになっても人類は巨人に勝てないじゃないか」
巨人の正体を突き止めるのだって調査兵団の重要な目的の一つだ。それなのに頭ごなしに却下され続けるハンジの提案書。その苛立ちの矛先は、テントの外で装備の補填をしていたオルオに向けられた。
「例えばだ、オルオ。例えば、リヴァイがあんたを殺そうとしている。本気でだ！…さあどうする。戦って勝てるかい？」
「無理っすよ、そんなのっ。ていうか、苦しいっす…っ」
オルオの襟首を持ち上げながら、ハンジは構わずずいと顔を近づけ、「どうすれば勝てるか教えてやろうか。」とオルオに凄んだ。
「調べ上げるんだよ。奴の行動範囲から苦手な食い物、女の好み、便所に行く回数――そんなことを全部調べ上げるんだ！そうすればどこかにつけいる隙が見つかる。そうして戦わなければ、あんたは確実に殺される」
そう。巨人のありとあらゆることを調べ上げ、奴らの弱点を暴かなければ、圧倒的な力量差で負けている人類に勝ち筋は見込めない。
こんな簡単なこと、あのエルヴィンが気づいていないはずがないのに一向に首を縦に振らないエルヴィンにはもう怒り心頭だ。
「ハ、ハンジさん……」
この時のハンジはもうひたすらにむしゃくしゃして周りが一切見えていなかった。
ペトラがおずおずとハンジの名を呼んだのも、オルオの顔が蒼白になり始めたからだと思ったハンジは、背後から迫り来る恐ろしいほどの殺気に気づかなかった。
「あ、あの……」
「口を挟まないでくれ、モブリット」
「あの、いえ、そういうことでは、なく……」
モブリットが恐る恐る止めようとしてくるのも、オルオに対してやりすぎだと言いたいのだろうとそのまま払いのけたハンジ。
次に名を呼ばれたその声は、ハンジにとってはここにいないはずの人だった。
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ミカ(プロフ) - 結婚おめでとう！！！ (2022年6月13日 1時) (
レス) @page3 id: 890192da02 (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - やっと婚約〜〜〜(T^T)ここまで長かったね。嬉しいよリヴァイ(T^T) (2022年6月13日 0時) (レス) @page3 id: 82ac895d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2022年6月12日 8時
