惚れたら負け☆Final【緑】２

∞６４ 忠義さいど ページ19

A「……お腹は？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


忠義「うーん…」


A「……まだ痛む？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ




Aが俺の髪を撫でながら


泣きそうな顔で言うから




忠義「大丈夫。」




なんて、言うけど


ほんまは昨日よりごっつ痛なってて



でも、いつもみたいに


泣きそうになってるA可愛いっ、て


言おうと思ったのに




A「嘘つき」




Aにコツンって叩かれた





A「病院、行こ」


忠義「大丈夫やろ」


A「だーめ。行くの」


忠義「寝てれば治るって」


A「治ってないじゃん」




心配なんだよ、って


またひとつ、コツン。




A「着替えてて？」




またふわっと髪を撫でて


Aは寝室を出ていった





あかんなぁ


こんな腹痛いんじゃ、ぎゅーもできひんわ





なんとか起き上がって


適当に服出して着替える




でもほんまに痛すぎて


着替え終わった途端、ベッドに横になった




なんやろ、なんでこんな腹痛いんやろ




変なもん食ったんかなぁー


でもAのお弁当以外食べてへんし


子どもたちは元気やし





ストレス、かなぁ


最近仕事詰め詰めやったし…



あ、あと夜もご無沙汰や(笑)



なんて、呑気に考えてた





忠義「Aが運転する車乗るん初めてちゃう？」


A「そう？」


忠義「おん。運転してるとこ見たい」


A「お腹痛いんだから後ろで寝てて」


忠義「はーい…」




ほんまは元気なんやで？


ただ、ちょーっと腹が痛いだけで







ちょっと……ちゃうか









忠義「A、ごめんなぁ」


A「……なんで？」


忠義「心配かけてもうて」




ちょうど赤信号




Aがちょっと首をひねって


俺の好きな優しい瞳で






A「夫婦なんだから、心配かけてナンボなんじゃなかったの？」





そう、言うから





忠義「……ありがとう」





俺の中の"好き"は


結婚して何年も経ったって


増え続けてる

∞６５→←∞６３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す