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背中にひしひしと感じる人の気配
それは嫌なものではなくて、今の今まで会えたらいいなとでも会いたくないなと思っていた人で
さっきまですぐ傍にいた温田が少し離れたことに一気に不安がせり上がってきて縋るような目を合わせれば、いつものあたたかな笑みを浮かべ一つ頷いた
大丈夫
そう言っているようにAには見えた
少しの沈黙
それは数秒にも感じるし数十分にも感じる
それが居心地が悪くてゴクリと生唾を飲み込んでうるさいくらいの心臓の音をそのままにゆっくり振り返る
視線の先には黒い革靴に黒いズボン
少しずつ上に上げていくとオレンジが見えてAと大きく書かれている
こんなちまちま視線を上げていくことはもどかしく感じるかもしれない
けど、目の前の人はずっと待ってくれている
焦れったさに苛立つことも困惑する様子もなく
ただそこにいてくれる
その凪いだ気配にはっと詰めていた息が吐き出せた
この人の何もかもがAを落ち着かせてくれる
「……」
ここに来て初めて顔をあげられたAが見た景色は
赤と白の髪を少し風に揺らした
優しく微笑む轟の姿だった
それでようやくその後ろにある大きな建物や食べ物の匂い、どこからが流れる軽快な音楽に気づく
こんなに五感を震わせるのに今の今まで気づかなかった
「頑張ったな」
「っ……！」
そして目の前でそう言って微笑む轟の言葉に
ぎゅっと心臓が掴まれた様になる
ただ、病室を出て車に乗って流れる景色を見て雄英高校に来ただけ
車から降りてここまで、歩いただけ
ただそれだけの事
それを轟は"頑張った"と認めてくれる
「大丈夫だ」
それはここが安全だということだろうか
それともここにいてもいいということだろうか
「俺…」
バクバクと心臓がうるさいくらいに鼓動する
人の目が世界が怖くて仕方なかったのに
今は、目の前の少年に紡ぐ言葉に緊張する
言ってもいいのだろうか、でも伝えたい
「(頑張った…俺、頑張ったんだ…)」
言われてストンとそれが心に落ち着いた
こんなに外に出るのは怖いことだっただろうか
そう思ってしまうくらい身体が震えた
見られることに抵抗を感じた
それでも、
「俺、、轟に会いたかった……」
バンドというものに興味が湧いた訳ではない
文化祭を楽しみたくて来た訳ではない
普通の高校生活を送る轟を見て見たかった
呼ばれてないことに不安だったけど
会いたいと、ただそれだけだった
．
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みけいぬこ(プロフ) - 結華さん» コメントありがとうございます！こちらは男主人公として少し甘い感じで進めて行こうと思っています！（すっっごいBLにはならないと思うのですがカップリングとしては轟落ちです）優しいコメント嬉しいです。更新頑張っていきます！ (2022年9月12日 17時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
結華 - ほんとに、、本当に好きです…！！これから轟くんと主人公がどうなっていくのか楽しみです！！！ (2022年9月12日 11時) (レス) @page50 id: e2320a25d7 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 華さん» コメント＆見ていてくださってありがとうございます！！！！嬉しい！その言葉でお疲れも吹っ飛びます( ˃ ᵕ ˂ )これからも楽しんでいただけるよう聞いていきますね！ (2022年9月6日 23時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 更新お疲れ様です‼︎作者様の作品全部大大大好きで毎日見てます‼︎👀これからも頑張ってください！！！！ (2022年9月6日 19時) (レス) id: d1e7a9b3ce (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - せつなさん» コメントありがとうございます！読んでいただけてるの凄く嬉しいです！！疲れも飛んできますね( ᵒ̴̶̷̤ ᵒ̴̶̷̤ )✧*。完結まで書ききりたいと思います！ (2022年9月5日 23時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年8月18日 11時
