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普通の生活
それはどんなものだろう
そんなこと夢のまた夢だと思っていた
「Aくん、車酔いはしますか？」
「……乗ったことないから、よく…」
「では、気持ち悪くなったらすぐ言ってください。あ、下は見ない方がいいですよ。窓の外見てると酔いにくいです」
「……はい」
初めて乗る車にドキドキしながら、Aは言われた通りに外に目をやる。すごい速さで景色が変わっていく。車自体は見たことがあったが乗ったらこんなに速いのかと内心驚いている
今日は雄英高校の文化祭
エリが観に行くということで通形と相澤が前の車に乗っている。Aは人が多すぎると緊張してしまうので、温田と二人別の車両で相澤の乗る車を追う(念の為運転手は警察にお願いしている)
病院から雄英までの道のり
程よい大通りを通り道行く人達を車内から見つめる
路面の花屋で悩む青年
大型商業施設に向かう親子
犬の散歩をしている老夫婦
皆、のどかに思い思いの時間を過ごしていた
「……」
それをAは黙って流れていく景色の中に見た
自分もいつかこんな風に堂々と街中を歩いて買い物に行ったり
ただなんの目的もなくぶらぶら表通りを散歩したり
誰かと並んで歩く日が来るのだろうか
「……」
過去のAならこんな考えをする事自体凄いことだと驚くことだろう
それ程に、Aは無意識に未来に期待を抱き始めている
それがまだ理解できなくて怖いと思っているだけ
「あ、見てくださいAくん。大きい風船が飛んでます。もうすぐですよ」
見えた色とりどりの風船を見つめ、Aはぎゅっと眉間に皺がよる
期待という名の不安が膨らむ
裏側なのか人のいない広い空間に車が止まり、先に前の車から相澤達が降りていく
「行きましょうか」
「……はい」
無意識にAは左の手首を右手で抑える
消えない痣を隠すように包帯が巻かれ長袖のシャツのボタンを止め更にカーディガンを羽織ってなるべく見えないようにしている
それでも不安で強く握る
思い出すあの空間
もし何かあったらまたあそこに戻されるかもしれない
普通からかけ離れた世界
「Aくん」
名前を呼ばれ、先に外に出た温田が手を伸ばしてくれる
明るい世界に連れて行ってくれる手だ
「("大丈夫"……)」
思い出すのは低すぎない落ち着いたあの声
一歩踏み出した世界は、眩い秋の陽射し輝く場所だった
．
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みけいぬこ(プロフ) - 結華さん» コメントありがとうございます！こちらは男主人公として少し甘い感じで進めて行こうと思っています！（すっっごいBLにはならないと思うのですがカップリングとしては轟落ちです）優しいコメント嬉しいです。更新頑張っていきます！ (2022年9月12日 17時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
結華 - ほんとに、、本当に好きです…！！これから轟くんと主人公がどうなっていくのか楽しみです！！！ (2022年9月12日 11時) (レス) @page50 id: e2320a25d7 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 華さん» コメント＆見ていてくださってありがとうございます！！！！嬉しい！その言葉でお疲れも吹っ飛びます( ˃ ᵕ ˂ )これからも楽しんでいただけるよう聞いていきますね！ (2022年9月6日 23時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 更新お疲れ様です‼︎作者様の作品全部大大大好きで毎日見てます‼︎👀これからも頑張ってください！！！！ (2022年9月6日 19時) (レス) id: d1e7a9b3ce (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - せつなさん» コメントありがとうございます！読んでいただけてるの凄く嬉しいです！！疲れも飛んできますね( ᵒ̴̶̷̤ ᵒ̴̶̷̤ )✧*。完結まで書ききりたいと思います！ (2022年9月5日 23時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年8月18日 11時
