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「……っ」
「あんたの事はよく知ってますよ、イレイザーヘッド」
薄暗い隔離された空間に押し込められた相澤
警戒態勢はそのままにしかし、目の前の光景に動き出したくてもできず隙を伺う
「壊理の研究過程であんたの個性をよく参考にしてやした。殺さず隔離したってことはまァ、生かしておく価値があると言うことです」
「……そうかよ」
個性は発動している
目の前の敵は個性を使えないはずなのにも関わらず
余裕なのは相澤ではなく玄野
それは、玄野が腕に抱える少年の存在
片腕で易々と抱えられ首元にナイフを構えている
完全に意識のないAを支えてるにも関わらず重心にブレもなければ隙もない
玄野がそれなりの手練だということは明白
そして、華奢な身体からゆっくり床に水溜まりを作るそれに相澤は焦りからか一筋頬に汗が伝う
「綺麗に入りやしたからね。気になりやすよね。ここで対峙してればそれだけじわじわこいつが苦しいだけですよ」
「……」
腹部からの出血。しかし、その血の流れはだいぶ遅い
玄野の個性で刺されたのだから時間の流れが遅くなっているのだろうがそれでも放っておいていいものではない
何とかしてこの場を収めAを安全な所へ、そして治療をしてやらなければいけない
「個性を消す。ソレは彼にとって魅力的な力なんですよ」
「……そいつの力も治崎にとっては魅力的なのか。この状況下でも大事に抱えやがって」
相澤の言葉にふふっと目の前の玄野は笑い声をあげるとあいた片手で顔全体を覆っていたマスクを外す。特徴的な時計の針のような前髪と切れ長の瞳が相澤を捉える
「まァそこらの奴よりかは使えますよ。これからのオーバーホールの目的には金がいりやすから。こいつは個性だけじゃないですしね」
言わんとすることが分かるから相澤は眉間に皺がよる
それにAがどういう人物なのかヒーロー側は把握してると理解し、玄野の口角が僅かに上がる
「こいつは生まれた時から使われる運命だったんですよ。実の父親にそう育てられた。敵連合もこいつの価値を分かってる。この世の中自分の価値を見い出せず堕落している人間は五万といる。こいつは幸運な方だろ」
「ふざけたこと言ってんなよ……何が価値だ。そんなものそいつの意志を無視した非道な行いだろう！」
「こいつの意志、ねぇ」
玄野はちらりと視線だけをAに移す
ボロボロになり
目元から頬にかけていく筋もの線が流れている
．
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みけいぬこ(プロフ) - ラリってるもののふさん» コメントありがとうございます！冒頭まで見ていただいていて嬉しい( •̥ •̥ )私の趣向が楽しんでいただけてるなら本望です！ (9月8日 8時) (
レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
ラリってるもののふ(プロフ) - 地獄すぎてここの冒頭のあらすじで「やっと光つかむんかっ！」と感動して声が出ました…みけいぬこさんのお話他のも好きです、可哀想は可愛い！！ (9月7日 21時) (レス) id: c2e111fdc8 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - まおさん» ありがとうございます！書きかけのものを非公開忘れておりました^^;夜に上げ直します！ (2022年7月11日 16時) (レス) @page43 id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
まお - いつも更新楽しみにしています！気になったのですが最新話が4話の次に6話になっていて多分お話も飛んでるかと🥺 (2022年7月11日 16時) (レス) id: 54eeb56af7 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - mikittyさん» 月曜にまた更新しますね！ (2022年7月10日 23時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年6月17日 14時
