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『いくらか金になる薬がある、それをお前らには売り歩いてほしい。もちろん、その間に警察やヒーローに見つからないように隠密に』
電話口でそんな事を簡単に言いやがるものだから危うく電話を粉々にする所だった
『あ？こっちの名を貸すのに売りもやれってか？』
『資金元はこちらが用意してるんだ。それくらいやってくれてもいいだろう』
そんな会話をしたのが昨日の話
足がつかないようにばらまけと言われてもどうしたらいいのか分からない。そんな事を少数精鋭のメンバーにやらせるのも…と思った時に死柄木は思い出したのだ
一度だけアジトであったこの金髪の少年のことを
荼毘がミュオと呼び、優秀なディーラーだと言っていたことを
元から売り歩く仕事をしてたなら何らかのコミュニティがあってもおかしくないし
売り方、逃げ方も勝手知ったるだろう
仮にヒーロー、警察に見つかっても正確には敵連合メンバーでもないから特に問題はないだろう
…こいつ的にはその方が幸せだろうけど
「じゃあ、借りてくぜ…え。何こいつも来んの？」
Aを拘束していた椅子を五指で触れて一瞬で崩壊させる。特にドクターからお咎めもないようだから気にしない。その場に倒れ伏すAの腕を今度は五指で触れないように掴めば背後に立つ一体の脳無にチラと目をやる。薄黄緑色の身体に剥き出しの脳みそ。落窪んだ瞳はどこか虚ろなのにそれはAをじっと見つめて逸らしはしない…余程執着があるようだった
「あぁ、それはこやつの父親じゃよ。その執着は消せんかったようじゃ。黒霧の劣化版ではあるから連れてくといい。まあ使えるじゃろうて」
「ふーん…まあいいや。おい、自分で歩け」
「…ッ……」
よたよたと歩くAが鬱陶しい。軽く引っ張っても歩き方を忘れたかのようにすぐ蹲ってしまう
「…チッ。おい、父親なら持てよ」
「……」
言葉は通じてるのか執着ゆえか片手でAを掴むとそのまま両腕に抱く。特に意味はないのだろうか親心でもあるのかと変に勘ぐってしまい無性に苛立った
「ドクターッ、こいつの黒霧の劣化版ってワープに制限あるかッ」
「何怒っとる…そいつが一度行った場所しかワープできん」
「クソっ使えねぇな！」
持てと言ったのは自分なのを忘れ、この生ぬるい親子ごっこを見ながら帰らなきゃいけないのかよと悪態をつく。それを突っ込むものはおらず苛立ちに首元を掻きむしる死柄木なのであった
闇から闇へ…
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みけいぬこ(プロフ) - ラリってるもののふさん» コメントありがとうございます！冒頭まで見ていただいていて嬉しい( •̥ •̥ )私の趣向が楽しんでいただけてるなら本望です！ (9月8日 8時) (
レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
ラリってるもののふ(プロフ) - 地獄すぎてここの冒頭のあらすじで「やっと光つかむんかっ！」と感動して声が出ました…みけいぬこさんのお話他のも好きです、可哀想は可愛い！！ (9月7日 21時) (レス) id: c2e111fdc8 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - まおさん» ありがとうございます！書きかけのものを非公開忘れておりました^^;夜に上げ直します！ (2022年7月11日 16時) (レス) @page43 id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
まお - いつも更新楽しみにしています！気になったのですが最新話が4話の次に6話になっていて多分お話も飛んでるかと🥺 (2022年7月11日 16時) (レス) id: 54eeb56af7 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - mikittyさん» 月曜にまた更新しますね！ (2022年7月10日 23時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年6月17日 14時
