Von Dunkelheit zu Dunkelheit ページ2
＿＿……
暗い、くらい…
「…ぃ、おーい……ドクター、こいつ本当に生きてんの？」
「…」
頬を叩かれる感覚に無理矢理意識を覚醒させられる
目を開いても続く暗闇に浮上した感覚すら錯覚だったのかと思う
「まだ生きとるわい、ま、辛うじてじゃがの」
聴覚は過敏なようでそんな声を拾うから自分は今起きているのかと思う。けれどそれに対して何も感情はわかない
…何かしら思うことはあるのだがそれを上手く脳が処理してくれない
「…あー、まじギリ生きてるって感じか」
頬を抑えられ何かにじっと見られてる感覚
しかし、Aには何も見えはしない
故に恐怖も上手く機能しない
死柄木からしたら目は開いてるのにそこは空虚で何も写っていないそれに造形美も相成って人形のようだと思った
「…ドクター、こいつ本当に脳無じゃないのか？」
「違うわい、こいつのおかげでようやっとハイエンドができたんじゃ。脳無にするわけがない」
その割には随分扱いが雑だなと、4本指で支えていたAの頬を離してやる。特に抵抗もなく重力に従って項垂れる様子にやっぱり脳無みたいだと思った
拷問椅子のように両腕を拘束され、腕には脱水等死なない最低限度の点滴がなされ前見た時はもうちょっと毛艶が良かった金髪はくすんでしまってボサボサ
それでも、綺麗だと思えるのだから元が余程いいことを再認識する
「(忘却の個性、ねぇ…)」
記憶を消すなんて世の中何の役にたつのかって思う哀れな個性だが、使いようはあったようだ。もっともこの少年の望むものだったかはさておき、ドクターにとっては(彼なりに)丁重に扱うくらいには役に立つものだったようだ
「で、こいつ借りてっていいの、ドクター」
同情なんて死柄木はするつもりはない
なんならこの明らかにボロボロな彼をこれからまた使おうとしているのだから自分も大概ゲスだなと思う
「…ま、息抜きも必要か。ちゃんと終わったらここに戻しておくれよ。まだ作りたいものは山ほどあるんじゃ」
「わかってる。こっちも仕方なくの人選なんだから」
というのは、トゥワイスが連れてきた死穢八斎會の若頭-治崎-とある取引をしたことがきっかけである
日向も日陰もトップがいなくなった今闇を広げる好機だということで手を取り合おうかと言う話だ(もっとも一つずつ死 体ができてしまうという穏便とは程遠いものなのだが)
まずは資金稼ぎ
それに役に立つ人材を貸せと言ってきたのだった
．
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みけいぬこ(プロフ) - ラリってるもののふさん» コメントありがとうございます！冒頭まで見ていただいていて嬉しい( •̥ •̥ )私の趣向が楽しんでいただけてるなら本望です！ (9月8日 8時) (
レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
ラリってるもののふ(プロフ) - 地獄すぎてここの冒頭のあらすじで「やっと光つかむんかっ！」と感動して声が出ました…みけいぬこさんのお話他のも好きです、可哀想は可愛い！！ (9月7日 21時) (レス) id: c2e111fdc8 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - まおさん» ありがとうございます！書きかけのものを非公開忘れておりました^^;夜に上げ直します！ (2022年7月11日 16時) (レス) @page43 id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
まお - いつも更新楽しみにしています！気になったのですが最新話が4話の次に6話になっていて多分お話も飛んでるかと🥺 (2022年7月11日 16時) (レス) id: 54eeb56af7 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - mikittyさん» 月曜にまた更新しますね！ (2022年7月10日 23時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年6月17日 14時
