【ヒロアカ】Vergiss-mein-nicht (ページ10)

今日:37 hit、昨日:126 hit、合計:163,859 hit

5 ページ10

「誰に向かってそんな口聞いてんだァ！あァ！？」

「つっ！！」

情緒どこにやったと思う程に一気に脳天に血が昇ったのか伸ばしてきた腕をそのまま拳に変えAの頬を容赦なく穿つ。加減を知らないようで重いそれは避けきれる訳もなく勢いを殺せずザザっと数メートル飛ばされ壁に激突する

「っか…は！」

受け身も取れず壁にぶち当たり息が詰まる。背中に縛られてる腕が歪に背中にあたりごりごりと肩が変な音を立てる。ビキ、と肋骨までもが嫌な音を立てた。一斉に上がる悲鳴が耳を刺激する。ズルズルとその場に座り込みそれでまた肋骨が痛み咳き込む。それすらも痛みとなりもうどうにもならなかった

「おい、上玉の顔に何しやがる！値段が下がるだろうが！」

「…は！…すまねぇ…つい血が上って……」

「てめぇはプレートつけたガキの先導しろ単細胞が！」

この場のリーダーらしき男に怒鳴られブタ顔の男が申し訳なさそうに部屋を後にする。どうやらブタ顔で単細胞らしい……救えない奴だ、とふざけた事を考える。これを逃避と言われればそうなのだろう。昨日の腹部の痛みも治ってない(むしろ悪化した)そして肩と肋骨、折れてはないだろうがジンジンと痛みを訴えてくる。状況的にかなりよろしくない

「あーあ、腫れてんじゃねえか。せっかくの今日の目玉が」

怪我の、と言うより商売の心配をしているあたりやはりこれから行われるのはオークション的なあれなのだろうと察する。胸元に付けられたプレートには“17“と記載されていた。そのまま肩に手を添えられる

ちら、と辺りを見回す。子供たちは全員連れていかれたようでいるのは最初に入ってきた男と入口に立っていた目の前の男の2人だけ

「(気を失ってどれくらいたった……何分見つめてればこいつらから俺の記憶が消せる？)」

消したとして逃げ道があるとは考えにくいがなにかやらなければと思考をフル回転させる。黙ってあの人から離れたら何が起こる？何も起こらないとしてもこれから売られる先がいい場所だなんてありえない。そもそも、運びの仕事のはずだったのにこんな事になるなんて自分の運の悪さに嫌気がさす…何が目的でどっちが本命だったのかも今は整理がつかない

「なるほど」

「！、やめ……っ！」

肩を掴まれていたかと思えばどこから取り出したのか白い布で目を覆われる。突然のことに録な抵抗もできず視界が奪われる。さぁっと一気に血の気が引く。目を隠されてしまったら個性が使えない

．