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「ふー、どうしたもんか」
多古場競技場を出て来た道をバスがゆっくり辿る。多少なりとも疲れたようで車内は行きの騒々しさが嘘のように中々に静かで考えに耽けるのにちょうど良かった
1人窓際に腰掛ける相澤はそう小さく独り言ちると目を通していたタブレットから視線を外して外の流れゆく景色をぼんやり見やる
どこかの店舗のマスコットキャラクターの着ぐるみが風船をもって子供らに手を振る光景が目に映る
名も知らぬいわゆるゆるキャラと呼ばれるそれは楽しくもないだろうに笑顔を周りに振りまき子供たちを喜ばせていた
ああやって無邪気にあいつが笑える日はいつになるのやら
そう思うあいつとは、今ここにはいない欠けている大事な生徒の一人
今頃何をしてるだろうかと思いを馳せる
先程目を通したリカバリーガールからのメールには今日も恐る恐る食事を無事完食したとという報告だった。たかが食事に“恐る恐る“という単語がついてしまうことに時の長さそしてその重さを痛感する
神野の悪夢から世間は最初の頃よりはその興味をなくし今だ大きな爪痕が町には残るがその報道は小さいものになった。だが、被害者の傷はそれとイコールで小さくなることはないだろうしかく言うAも完全に抜け出せてはいない
「(Aの個性をこちらが完全に理解したことによってそこのサポートはしっかりできている。警察から捕まえたという報告はないが入国管理局もその警備を強めてる。簡単に奴は日本には来れない)」
Aの恐怖の根底はヴィクトリア・M・ローズウッドだ
恐怖と武力による精神を破壊する程の束縛
何処にも誰にも逃げられない助けを求められない環境、一生のうちにしなくていい経験を嫌という程させられてきた
もう同じことは絶対にさせない
だが、今Aがいる場所その環境が過去のそれらと違う場所であるという証明は中々に難しいものなのだ
言葉や態度で理解して通じたとは思っている
ただいまと言った日のAの声色はどこか安堵を滲ませていたと思っている(そう思いたい)
「(身体に、心の芯にまで植え付けられたものは分かっていても表に出てしまうものだ。分かってはいるが…どうにかしてやれないものか)」
相澤はAを今日まで見てきて、壁を作ってわざと人を遠ざけていた時期もあるが総じて他人に対して必要以上に関わらないようにしようという傾向があるのに気づいていた
それも12年の時の賜物ではあろう
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みけいぬこ(プロフ) - ryupu861さん» コメントありがとうございます！続編は書こうと思ってましてようやくとなりました✦ฺまたお来ていただいてありがとうございます！更新頑張っていきますね！ (2023年4月4日 7時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ryupu861(プロフ) - 初めまして！何ヶ月か前に読んでいて、続編が出ていてびっくりです！これからも楽しみにしています！ (2023年4月3日 23時) (レス) @page42 id: 951cdc533b (このIDを非表示/違反報告)
縷々(プロフ) - みけいぬこさん» わっ、わっ、レスありがとうございます✨恐れ多いだなんて！！もっと自信を持ってください！！みけいぬこさんの文才には到底敵いませんが、仲良くしていただけると幸です！！ (2023年3月30日 18時) (レス) id: a8b0369670 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 縷々さん» そして！！小説書かれていたのですね！しかも…私のようななんて…嬉し恥ずかし恐れ多い！でも嬉しいです✧︎共に楽しんでいきましょう！！ (2023年3月30日 12時) (レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 縷々さん» コメントありがとうございます！そして友人申請気づかず申し訳ありませんっ！普段あまりないので💦仲良くしてくださいませ！深夜に発狂笑考えが纏まらず原作がハラハラ展開すぎてどうしようかと思ってました！普通の人生、波乱気味ですが歩ませていこうと思います！ (2023年3月30日 12時) (レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2023年3月17日 12時
