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「はぁ、はぁ…はぁ……」
「……捕まえたぞ、シン」
痛む頭を抑えることが出来ず、思わず眉を顰める。相澤の髪は逆だっている。己の個性を警戒してのことだろう…常時発動型の己の個性では本来、相澤の個性とは相性が悪いはずなのに、現状苦しめられてるのは自分というなんとも皮肉な事にため息が漏れる
さぁ、どう切り抜けようか……
「シン、答えろ。なんで今まで隠していた…」
＿＿嘘をつかず答えてくれ、、
ごめん、先生……それはできない
本当のことを言ったら先生が……
「お前の個性は、瞬発じゃない、そうだな…」
「…」
そう言い見下ろす相澤に、シンはあの日見せた笑顔を向けた。拒絶する冷たい笑顔
「！」
「ラグドールに聞いたんなら分かってるでしょ」
「…お前、なんで…」
「あっちではほいほい簡単に自分の個性は話さない、信用できるかわからないからね。あっちでは常識です」
「…じゃあお前の本当の個性はなんだ」
「…言わないといけませんか？」
「今は日本の、雄英高校の学生だ、日本のルールに従ってもらう…それにこの合宿は個性の強化合宿だ。今のままじゃ意味ないだろ」
「…反響ですよ」
どこか演技のようにも言える飄々とした態度でシンはそう言った。続きを促そうと沈黙していればまた一つため息が零れシンは口を開く
「僕の吐く息の微量な振動を感知して一定範囲内の物体の場所や形をある程度特定できます。その振動音を耳で聞く必要があるから耳が敏感でちょっとの音でもうるさく感じる……だから普段は個性を切ってるんです」
「常時発動型か」
「そうですよ、だから先生が個性を消すと逆に僕はうるさいんですよ。もう止めてくれませんか」
痛むのは本当なのか汗の滲む額に渋々相澤は発動を止める。嘘をついてるようにはみえない、が本当とも言いきれない
「はぁ、はぁ…信じてもらわなくて結構です。僕は元より誰も信じてない」
「！」
ぎらりと睨みつけるその様子にさっと身構える。この殺気は本物だった
「僕は僕の目的のためにここにいる。だから馴れ合いや優しさなんて求めてない。それがいけないなら今ここで僕を殺す？」
そう言うシンはまた泣きそうな表情、本人は気づいてないのだろうか。個性のことで疑いはしたが、本来はシンは何か事件に巻き込まれている被害者だと相澤自身思っている。これは、恐らく…牽制だ
．
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年2月24日 16時
