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さぁ、どうする……
シンは先程とは違う汗が背を伝うのを感じる。本当のことを話すわけにはいかない、何より自分には今ピアスがある……今のこの状況も全て筒抜けである
確実に、彼がボスのリストに載ってしまう……
「つっ……！」
「待てっ、シン！！！」
それは嫌だ、とひとまずシンは飛び上がり逃走を試みる。すぐさま相澤の捕縛布が飛んでくるがすんでのところでそれを躱し森へ逃げ込む。個性で当たりを把握し他の生徒がいないであろう方向に…なるべく遠くに…
無言を貫き、丘を飛び越え逃げ出すシンにすかさず捕縛布を伸ばす。これで捕まればいいと思ったが、
「ちっ、速ぇな…！！」
散々みてきた彼の速さに捕縛布がやや間に合わなかった。速すぎる男と呼ばれるどこぞのヒーローとどちらが速いのだろうと思わずにはいられない。
すぐにその場を飛びシンの後を追う。脳裏に浮かぶのは先程聞いたラグドールの言葉…
＿＿＿……
「イレイザーちょっといい？」
「？」
神妙な面持ちで手招きされラグドールに近づく
「……シン・セドリックの個性って瞬発で間違ってにゃい？」
「…そうだと思ってますが、何かありましたか」
思ってもみなかった疑問に些か眉間に皺が寄る。他の生徒ならともかくシンだから余計だ
「あちきのサーチでみたんだけどねー…その子の個性、瞬発じゃにゃいんだよ」
「！！瞬発じゃ、ない…？」
「多分、あれは相手に介入するタイプの個性…発動を切ってるみたいだからちゃんとは分かんにゃかったけど」
不意に個性を解除してみて
そう言われ嘘だと思いたかった
しかしラグドールが嘘をつくメリットはどこにもない。だから物陰に隠れタイミングを見計らい個性を発動した。そうしたらいきなり苦しみ出したシンは頭を抑え、今相澤から逃げている…ラグドールの話が本当となり、シンの個性が瞬発ではないことを意味する
「(今まで個性を使わずにいたってことかよ…なんつー身体能力だ！)」
疲れさせるためにピクシーボブの訓練を敢えてさせていたのにこのスピード。相澤は、口角が引き攣る。資料の個性訓練校卒業は嘘では無いのだろうなと思い、このままでは埒が明かないと更に己のスピードを上げ、首元の捕縛布を握り直した
「(ひとまず、捕まえる……！)」
木を転々と飛び移り移動するシンにタイミングを合わせ、捕縛布を飛ばす
「！」
．
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年2月24日 16時
