【ヒロアカ】荊棘の少年4 (ページ40)

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そんな決意を切島が固める同じバスの中

流れる景色をぼうっと見つめる轟

所々煤けた身体は先まで戦いの真っ只中にいた証拠であり

それが夢ではなく現実のことだという

証明でもあった

"行方不明者2名"

告げられた彼らの名前を聞いて

心臓が変に脈打った

なぜなら、両方とも自分が一番近い場所にいたから

爆豪とは最初から最後までずっと一緒にいた

シンは…自分が頼んで一人別行動をさせた

『円場は無事だ……セドリックが、施設まで連れてきてくれた』

バスに乗る前に気になっていたことは

B組の担任。ブラドが答えてくれた

敵の手に落ちる時に、円場は助けてくれと懇願したという事だった

それを敵の口から聞かされたブラドも複雑な気持ちだろうが

轟はそれ以上の衝撃だった

「(俺が、頼んだから……)」

＿＿シン！お前こいつおぶって先に施設に戻れ！

1人で行かせるべきではなかった

＿＿お前は仲間を見捨てねぇ！だから託す！このことを知らせてくれ！

あの言葉に嘘はねぇ

どんなに普段俺達のことを無視してても

シンは必ずこちらをみていたのだ

近くだったからこそ分かっていた

無視をした後にちらと様子を伺う視線を

机の下でこっそり端末を確認しているのを

拒絶している中にも見え隠れする

優しさが

「(何か理由があるはずだ……)」

今回狙われた2人に共通点は見当たらない

だが、敵は2人をターゲットとして

この事件を起こしているように感じられた

正直、爆豪は分からないが

シンには手がかりがある

それは爆豪が残してくれたもの

「(薔薇のタトゥー…)」

窓に映る己の影を見つめながら

轟はシンの背にあった薔薇を思い出す

爆豪は、誰にいれられたものなのかを聞き出そうとしていた

そして、それに答えられなかったシン

「(何かのターゲットの証か…あるいはグループのシンボルマーク…)」

轟は元からシンは何かに狙われていたのではないかと思った

普段の人と関わろうとしない態度も

並外れた戦闘センスも

繋がる気がする

「(…不確かだけど相談してみる、方がいいよな)」

ひとまず家に戻ったら

薔薇のタトゥーについて調べてみよう

と思う轟であった

長い、一日が

終わろうとしていた………

．