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『A組B組総員_____
プロヒーローイレイザーヘッドの名に於いて戦闘を許可する!!!』
マンダレイのテレパスによってその言葉はこの合宿に参加してる全ての雄英生、及びプロヒーローに伝えられた
「……」
それを聞いていた相澤は
本当はこんな事したくはない、と思いつつ緑谷から預かった洸汰を施設に連れ戻すため来た道を戻る
「(あの言い草は完全に生徒がターゲット…)」
先に対峙した敵の言葉を思い出していた
ハッキリと誰とは入っていなかったが確実に狙いは生徒
それなら自衛の術を彼らに与えなければならないだろう
生存率の話、ルールやなんやらは今はどうでもよかった
「…シン」
一番心配な生徒の名前を思わず呟く
先の敵は一枚の写真を落としていっていた
それには隠し撮りだろう、やや幼く見えたがあれは確実にシンだった…敵は生徒の1人に、シンを狙ってる可能性が高い
「(緑谷にシンの避難を伝えればよかった…くそ、)」
目も当てられないほどの大怪我をしてもなお人助けを優先して走り去ってしまった緑谷を思い出し内心舌打ちする
エンド ル フィンドバドバであんだけ今動いていられるが
「おじさん、あいつ大丈夫かな?」
「ん?」
ふと、洸汰が涙声で話しかけてくる。緑谷を心配しているようだ。この幼い体でどれだけの恐怖と対峙したのだろう…ギュッと握ってくる手にはこれでもかと力がこもっていた
助けてもらったのだと、彼は言った
そしてそんな人を殴ってしまったことを謝りたいと
この局面になってもなお、緑谷の、誰かの心配ができる
ヒーロー向きな素直な子供だった
「大丈夫…あいつも死ぬつもりなんかないから」
相澤大丈夫に力を込めた
これは願望だ
しかし、嘘でも気休めでもない
大丈夫を有言実行するのがヒーローなのだから
彼が明日笑えるように
きちんとありがとうを言えるように…
相澤は施設に向かう脚にさらに力を込める
問題はまだ何一つ解決していない…
__…
「もう一つ、伝えてくださいっ!!」
両腕の使えない中
それでも緑谷は走る
「君はすぐ戻りな!その怪我尋常じゃない!」
スピナーと対峙するマンダレイの言葉も聞くわけには行かなかった
敵の狙い、少なくともそのひとつ……
「かっちゃんが狙われてる…!テレパスお願いします!!」
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作者名:みけいぬこ | 作成日時:2022年2月24日 16時