【ヒロアカ】荊棘の少年4 (ページ25)

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『敵二名襲来！他にも複数いる可能性あり！動けるものは直ちに施設へ！決して交戦せず撤退を！！』

それは、思いもよらぬ敵襲来の知らせであった

「は………なんで敵が……！」

「ブラドここ頼んだ！俺は生徒の保護に出る」

慌て始める生徒をブラドにまかせ

相澤は急いで外に向かう

「っ！」

バレないんじゃなかったか…！
そう叫ぶ生徒の声に同意したかった。ここの場所を知る者は信用に足る人物のみ、バレるはずはない…そのはずだったのだ

「(…考えたくないな)」

ふと、相澤は脳裏に黒髪の少年が浮かぶ

今彼はマンダレイに連れられ森の中のはず

何より、彼は被害者のはずなのだ

今浮かんだ考えを信じたくはない

「(…密告したのか、この場所を。何のために……！)」

バッと扉を開けて外に出ればそこは涼しさのある風と澄んだ森の風景ではなく

焼け落ち火花を散らす

燃え上がる悪魔の森だった……

「心配が先に立ったか、イレイザー」

「！！」

その言葉を聞き終わるかいなか

轟音と共に相澤の目の前が炎に包まれた

「くっそ、…てめぇ早く来い」

「…っ」

息苦しさに咳き込みつつ、煙の少ない方へと爆豪達は走っていた

シンを押し倒していたすぐ後、背後から流れてくる異様な空気に当たりを見回せば遠くで赤い光が黒い雲を伴いこちらに迫ってきており同時に煙くささを感じた時には既に近くまで火の手が回っていた

慌ててシンを立たせ走り出す爆豪と轟

火の手と反対方向に向かおうとすると、明らかに不気味な色の煙がこちらに近寄ってきており進行を操作されているように感じるも為す術なく煙のない方へ逃げるしか無かった

「このガスも敵の仕業か。他のやつが心配だが仕方ねぇ」

先頭を走る轟が軽く振り返る
その背には途中で倒れてるのをみつけた円場が。放っておくこともできるわけがなくおぶって施設に向かおうとしている最中だ

「…！」

すると、少し先に黒い物体…

よく見るとそれは蹲る人のようだった

「！おい、俺らの前誰だった……」

爆豪の呟きに轟は「常闇と障子」と答える

蹲る人の影になって見にくいがそこには腕が落ちているように見える

「キレイ…キレイだよ。ダメだ…仕事だ」

うわ言のように呟く姿は不気味でしかない

「交戦すんなだァ……！」

爆豪は先のテレパスに従えるか、と舌打ちを零した

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