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＿＿……
「彼は日向の無知な少年じゃありませんよ……」
先日初めてアジトに赴いた日
儀爛はなぜこの少年が欲しいのか
美味しそうにタバコを吹かしながら儀爛は話し始める
「この子はあの"ブルーローズ"の戦闘員なんだよねぇ」
「なんと……」
驚きの声を上げる黒霧
噂程度だが荼毘もその名前は聞いたことがある
アメリカマフィア界を牛耳ってるという
「ここトップに押し上げたのはこの子の個性のおかげって話…」
こんな幼いガキにそんなことが出来るのだろうか…
そう思っていたのが顔に出ていたのか
出来るみたいなんだ、と楽しそうに儀爛は漏らす
「彼の個性は他人の心を読めるらしいんだ」
「他人の心が、読める…」
「末端と会う機会があって教えてもらったんだけどね、なんでも他人の声が聞こえちゃうみたい、すごいよねー隠し事なんて彼の前ではまず無理」
その末端はもうこの世にいないんだろうな、とどうでもいい事を考えつつ儀爛の言葉を頭の中で整理する
今現在話している声と別に心で思っている事がかの少年には聞こえてしまうということらしい
「はっ…スゲーチート」
「筒抜けです、恥ずかしい」
「そ、本当に筒抜け。だから回りくどいことしなくても会うだけで欲しい情報盗めちゃうわけ。情報屋としてこれ程ほしい個性はないでしょ」
仕事捗るーと幾分高揚した様子の儀爛
もう手に入れた気でいるようで哀れだな、とその時は思った
「…確かに、有益な個性の持ち主というのは分かりました。しかし、ブルーローズを敵に回すということはあまりよろしくないのでは」
「そうなの、だから敵連合にお願いしてるってわけ」
「……といいますと」
「ブルーローズの頭領は無個性っていう噂だ。力じゃあんたんとこが上だろうからちょっーとお願いしてほしいんだよね。
「なるほど、話はわかりました。気にはなっていた少年です。死柄木弔に交渉してみましょう」
「理解が早くて助かるよ、俺個人はそばに置いておきたいくらいほしいが…敵連合においておいても損はないと思うぜ」
「……そうですね」
「人気者です。私も会ってみたいです」
「……」
そんな個性を持って生まれたばっかりに
なんとなく、ブルーローズにいるのも自分の意思じゃないんだろうな
と、荼毘は思った
可哀想とは思うが
所詮荼毘も
．
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年2月24日 16時
