【ヒロアカ】僕の世界の美しさを知る6 (ページ3)

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「公安からの情報も大きいですが、こっちからの逆算的追跡もあって蛇腔の特定に至りました。なので、そこは安心していただきたい」

「…貴様がそっちを探っていた理由は」

話を据げ替えられた感が否めないが、気になる情報でもあるのでエンデヴァーは仕方なくその話の続きを促す
周りも、気になるのか静かに塚内の言葉を待った

「…私はブルーローズマフィアのヴィクトリアの行方を追っています。奴はそのルートを利用して日本に潜伏してる可能性が高い」

「そいつの目的は」

「Aを、取り返す事かと」

「…そいつはそんなに重要人物なのか」

「…ただの執着だけだと思ってました。でも、ヴィクトリア自体はそうかもしれませんが殼木はそうではないかも知れません」

「？」

それは、親心も含め根気よく探り続けていたからこその情報

可能性の話ではあるが塚内としてはそんな事実は杞憂だと思いたいものだ

世界のために、動かなくてはならない立場なのに

一人の人間として、親として体が動きはしないかと恐れてしまう

「Aの個性は心読み。相手の心の声を聞き取ることが出来ます。それを医療的利用ができないかという話が出てました」

「…医療的？」

訝しむエンデヴァーに対して、塚内は一つため息をこぼす
それはどこまでも悪意というものは人を貶めようとするのだという嫌悪からだ
それが表向きに誂られた事実無根のものだとしてもその対象になってしまった側からはたまったもんじゃない

「Aの個性を医療に役立てないかと表向きには言ってます。それがどの程度奴らが本気で考えてるか…」

塚内の言葉にその場にいた相澤の眉間に皺がよる
この話は事前に知らされていたことだ。面白い話ではない

やっと、落ち着いて明るさを取り戻しクラスに馴染み始めているA

強制させたヒーローの道だが、A自身その道を自ら歩もうと決意してくれた

もう二度と、悪の道に堕としたくも逸らせたくも見せたくもないのだ

「そして、Aに執着してるヴィクトリアがどう接触してくるか。その真意を計るために調べていた事がたまたま合致しただけです」

「私情を持ち込んだ事を認めるんだな…」

「結果国の利にはなりましたからね。危険予測の範囲ですよ。それを元に人選配置もさせていただきましたから」

「…」

「皆この国で平和の為に身を削っている」

愛しい息子の為というのも否定しないが、塚内も平和の為に行動している事は胸を張って言える
掃討戦の弊害になりうる芽を摘んだのだと言えば、それは事実なのだから

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