2015.2.3 ページ10
「うへぇ、すっげぇ……呪力。どんだけいんだよお化け屋敷かよっての」
砂利を踏みしめ腰をくの字に曲げた青年が一人
荒れ果てた屋敷の前に立ち遠くを仰ぎみる
その瞳は太陽光が照射されてるかの如く輝き宝石のような青い輝きを放っていた
「いや、数的にはそんなにいない……一箇所に収束されてる?」
190はあるだろう長身の男、五条悟はそう1人ブツブツと呟き小首をこてんと右に傾げる
「これだけの呪力、低級が引き付けられててもおかしくないのに」
そう呟いて右に左にと視線を動かすもあるのは平穏な景色だけ
(廃墟と荒れ果てた庭だったものは平穏とは程遠いが)
「…これって、あれか…」
閉ざされた建物
その中心だろう所にある強大な呪力
今は何もいないが残穢を辿れば夥しい数の呪霊がいた事が証明されている
だけども今はその一匹すら見当たらない
「
それは、古代中国において用いられた呪術を言う。
「ヘビ、ムカデ、ゲジ、カエルなどの百虫を同じ容器で飼育し、互いに共食いさせ、勝ち残ったものが神霊となるためこれを祀る。この毒を採取して飲食物に混ぜ、人に害を加えたり、思い通りに福を得たり、富貴を図ったりするものだ
呪殺の一種で大抵この毒を取り込んだ者は一定期間のうちに死ぬ
「でもこれ…呪詛師の仕業でもないな…自然発生した偶発物?いや、こんなただの廃墟に呪霊を一定期間閉じ込めておける力なんてない」
蠱毒は密閉されてこそ成立する呪法だ
人の手が介入してないとなれば、ここに寄り付き留まる原因があるということ
「…集まる理由は7年前の呪力の正体」
一瞬、五条の脳裏に宿儺の指かと推測した
しかし、過去にこれ程までに宿儺の指に呪霊が反応を示した例はない
あるとすれば、ここに2本ないし3本あれば納得はいく
「でもそうなると7年も呪霊同士で共食いし合いながら拮抗してたことになる…変だよねぇ」
特級クラスの呪霊が互いに牽制しあっているとでもいうのだろうか
そうなればここには未登録の特級呪霊が1体以上いることになる
「これは、中々に骨が折れる…かな?」
ポキポキと指を鳴らし
準備運動と屈伸や伸びを一通り軽く行う
「おぃっしょおと」
間髪入れずに両手を開いて勢いよく扉を開いた
生暖かい呪力を伴った風が頬を撫でて
その重たさに唇が弧を描く
「行きますか」
.
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みけいぬこ(プロフ) - バナナプリンさん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただけて嬉しいです。また読みにきていただけたら更に嬉しいです(∗ˊ꒵ˋ∗) (1月22日 7時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
バナナプリン - めっちゃ好きです!!設定とか物語すごく凝っててすごいですね!!これからどうなっていくのかすごい楽しみです!!🍌🍮 (1月21日 0時) (レス) @page10 id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みけいぬこ | 作成日時:2024年1月19日 10時