・ ページ7
周りから荒れていると言われる自覚はないこともない
それほどの事があったのだから
それでも
だけど未だに理解は微塵もできない
2人で最強だと肩を並べて
同じ方向を向いていたと思っていたのに
-非術師を殲滅して呪術師だけの世界を創る -
そう見慣れた柔らかな笑みと共に伝えられた血の通ってないような冷たい言葉、あの時の響きは今も耳の奥に残っている
自身の無実の両親も手にかけて
守るべきはずの非術師を惨殺して
あの日殺してでも止めるべきだったのだろうか
人を生かすと言っていた友の変貌に理解が追いつかなかった
あの迷いが今も後悔として胸に残り小さくない痼となっている
天内理子の死にあんなに心を痛めていた友はどこにいる？
現実との差異に苛立ち、それが焦ってるように見られたのだろう
渡された報告書に再び目を通す
「A、ねぇ……」
その名前だけでピンとくるものはなく
この呪力を感じ始めた7年前にも関連しそうなものは何もない
未登録の呪具か、はたまた呪霊か
「それか人間、か……」
“Aを殺して“
死の間際に紡ぐにしては物騒すぎる
その言霊は
また1つ、新たな呪いを生むだけだ
その言葉の矛先が人であるならば
守るべきを屠るのか
“非術師は唾棄すべき猿“
「ﾁｯ、んなことねぇだろ…」
術師から呪いは生まれない
呪いをなくすために人を殺すのは間違っている
術師であれ非術師であれ人を生かすことに理由はいらない
“誰も一人にさせない“
この世界に生まれ落ちた人間は皆等しく
生きる自由があるのだから
それを脅かしてはいけないのた
「…はぁ〜〜〜嫌だけど、行きますかね」
7年も一所で燻り続ける呪力の塊
肌を震わせるほどのその強大さが人から生み出されてるものなわけはそうそうない
縛りのある呪いか何かだろうと言い聞かせ、五条は一人重い腰を上げる
これが運命の出会い
空の器との出会い
なぜ君は、その運命を背負って生まれてきてしまったのか
望まぬ力より愛を
暗雲とした世界より
青々とした美しい日々を
世界はとてつもなく広く
目が眩むほどに輝いていることを
もっと、伝えたかった
ずっと、傍で……
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 388人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みけいぬこ(プロフ) - バナナプリンさん» コメントありがとうございます！楽しみにしていただけて嬉しいです。また読みにきていただけたら更に嬉しいです(∗ˊ꒵ˋ∗) (1月22日 7時) (
レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
バナナプリン - めっちゃ好きです！！設定とか物語すごく凝っててすごいですね！！これからどうなっていくのかすごい楽しみです！！🍌🍮 (1月21日 0時) (レス) @page10 id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2024年1月19日 10時
